2023年 11月 27日
メルセデスベンツ500E |
どんなに優れた自動車でも、長く乗れば各部が痛み、故障箇所が出てくるのは当然。これは、ある意味仕方がない事です。
ただ、新しい物の方が良い、新しい物の方が優れているとは言えないのが自動車です。単に「格好が好き」「想い出がある」「当時憧れた」のような事ではなく、他に替える物が無い良さ、現代の車を越える良さを持つ車輌は確かに存在し、そこに惚れ込んだオーナーが、今なお愛し続ける。そんな傑作車は少なくありません。
そんな車輌の1台が、メルセデスベンツ500Eです。
同時期のフェラーリ348が320psだったのに対し、500Eは330ps。
ATでフェラーリをカモれる「羊の皮を被った狼」と呼ばれた事もありましたが、単純な馬力の数字であれば、より強力なセダンが少なくないのが現代です。
オーナーの方達もエンジンに魅力は感じていますが、それ以上に皆様が口を揃える素晴らしいポイントは、ボディです。
表現が難しいのですが、ドアの開閉ひとつ取っても、まるで金庫のような重厚さが感じられ、現行の自動車と乗り比べても「鋼鉄製!?」と錯覚するほどの剛性。
この箱だからこそのフィーリングは、代用できる物も越える物も無い。決してノスタルジーではなく、最高だからこそ乗り続けたい。そう感じてしまうほどの孤高の存在です。
そんな500Eには「普通と違う」「普通ではない」部分が色々とあるのですが、そこは今回は割愛。それほど凄い自動車にも関わらず弊社でMoTeC作業の御依頼を頂く理由は、純正の制御系や配線のリフレッシュです。
配線の引き直し作業やエアフロレスのエンジン制御に関する部分は、これまでに幾度となく作業をしているため、紹介したこともあると思います。ただ、今回はこれまでと少々異なり、MoTeC M130を使って純正ECUを完全に撤去。ついでに電子スロットルを現代の製品に置き換え、ASRをオミットします。
点火系もディストリビューターからダイレクト点火に変更し、ディストリビューターのあった場所にはカム角センサーを新設しました。一見しただけではノーマル然としたエンジンルームですが、よく見ると新設したカム角センサーの配線がディストリビューターから伸びています(写真の赤丸部分)。
これらのリフレッシュ作業は、変更することで高出力や高回転を追求するための物ではなく、今後も乗り続けるための作業です。入手が困難だったり、驚くほど高額になってしまった部品を、入手可能な現代の部品に置き換えて制御しています。
御客様が惚れ込んだ500Eを、完調以上の完調に仕上げて納車させて頂きました。
翌日、御客様から御連絡を頂きました。
「こういうのに乗っていると、不安材料が多い事で、アイドリング回転がフラフラするだけで心配になるなど、安心できない面がある。それがアイドリングがピタリと安定して、普通。当たり前になった。
普通が素晴らしい。
昨日の帰路は何事にも代えがたい幸福な時間を過ごさせて頂きました。
帰宅後も家内に、何かいいことでもあったの?と聞かれる程浮かれていたようです。
高橋社長率いる皆様にとっては普段の仕事でしょうが、長年患ってきた不治の病を治して頂いたのと同様、感謝しております。ありがとう御座いました。
暫くは500に乗る度に、只々普通に走る喜びを堪能したいと思います。」
by avo-motec
| 2023-11-27 18:32
| 取り付け調整
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