2022年 09月 27日
ドンガラGT-R 製作編2 電動ウェストゲート |
前回の画像でめざとい人は気が付いていましたが、使用するウェストゲートはバネ式ではなく電動式となります。
もちろん、電動化で▲●◆馬力にパワーアップします!…ではなく、
「MoTeC M1なら電動ウェストゲートも制御できますよ!」
という部分がアピールポイントです。
・従来のウェストゲート↓
例えばブースト1.5キロに設定したいエンジンの場合、タコ足内の排圧+1.5キロのブースト圧で押すと完全に縮むバネを使います。
ただ、どんなに排圧が掛かっても、設定ブーストまで開かず耐えるバネなんて都合の良い物は無いので、ある程度近い設定のバネを選び、バネの動きをブーストコントローラーで調整するのです。
この調整の際、勢いよくウェストゲートが開いてしまい、制御が働いて戻そうとする…という動作で、ブーストが安定せず波打つような出力カーブになる場合はありますが、それを自然なカーブに調整するのも現車セッティング作業です。
・電動式ウェストゲート↓
開閉のタイミング、開閉する量を、MoTeC M1で自由に設定することができます。ギリギリまで閉じて鋭くブーストを立ち上げ、設定ブーストでズバッと開いてピタリと安定させる。という動作を、すべてプログラムできます。
この恩恵はとても大きく、排圧、ブースト圧、バネに左右されることなく、最良のタイミングで最良の開弁率に自由に設定できるというのは、ブーストを制御するエンジニアにとって、まさに夢です。
素晴らしい!
さすが21世紀!!
などと喜んでばかりいたいのですが、自由には代償が付きものです。
バネ式のウェストゲートの場合は、勝手に開閉する物に対して、横から「もうちょっとこうして…」と手を加えるような制御でしたが、電動式ウェストゲートの場合は、何もしなければ閉じたまま。つまり、全域の動きをゼロからマッピングしなければ動きもしません。
ウェストゲートが制御するのはブースト圧ではなく、タコ足内の排気ガスの圧力です。排気ガスの圧力を調整することで、ターボチャージャーの回転速度が変化し、その結果ブースト圧が変化します。
この変化したブースト圧を見つつ、さらにウェストゲートの動きを変えて、排気ガスの圧力を調整して、タービンの回転速度を加減しつつ、ブースト圧の動きを見極め、さらに調整して…と数値を詰めて行きます。
つまり大変なのです。
大変なのですが、見返りがとにかく大きい。
開きたいときに、閉じたいときに、思い通りの開度に精密に設定できる。
もちろん従来のウェストゲートでも、キッチリ決められれば何も問題ありません。が、色々と経験している人ほど理解できると思いますが、常に最良の条件であることは少なく、それなりになってしまう事も多々あります。
ウェストゲートだけではなく、近年アクチュエーターも電動式を純正採用するエンジンが出てきています。いずれこれらの制御は定番化していくと思われますので、弊社も積極的に活用していこうと思います!
by avo-motec
| 2022-09-27 16:12
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