2022年 07月 30日
スタリオンGSR-VR |
お客様から御相談を頂いているスタリオンです。
スタリオンのデビューは1982年。
AE86やZ31が1983年、FC3SやR31が1985年、70スープラ20ソアラが1986年と、各メーカーがインジェクション制御化したDOHCやターボ仕様の高性能エンジンで火花散る勝負をしていた「あの時代」のスポーツカーの中でも初期に近い登場です。
そして、最も「キャブの臭いが残る」インジェクション制御となっています。
70年代半ばから各気筒にインジェクターを取り付けていた(マルチポイント)日産とは違い、ホーリーのキャブをドンと置くアメリカンV8に似合いそうな、スロットル上流のインジェクターから噴射した燃料を、バタフライに当てつつ混合させ、各気筒に送るシングルポイントインジェクションという方式が採用されています。
ちなみにスタリオンの翌年に発売されたギャランΣ(5代目)も4気筒モデルはシングルポイント噴射でしたが、86年のマイチェンで一部モデルがマルチポイント化。87年のフルモデルチェンジ(ギャランVR-4)で、全モデルがマルチポイント噴射となりました。
例えば当時の日産のL型やトヨタの1Gや4A、マツダの13B等のインジェクションエンジンをMoTeC制御する場合、クランク角センサーを変更する程度で、基本的には純正のハードウェアをそのまま使用することが出来ます。
これに対してキャブ車をMoTeC制御化する場合には、基本的に各気筒にインジェクターを取り付けてマルチポイント化した上で、シーケンシャル(各気筒独立)制御を行います。
スタリオンは各気筒にそれぞれインジェクションが取り付けられていないシングルポイント制御なので、各気筒それぞれにインジェクターを取り付けた方が「良い制御」ができそうです。
小口径なスロットルバルブを押し開けるアイドルコントロール方式も、現代の物に置き換えた方が制御が楽そうな気がします。
ただ、今回の御依頼はそのようなチューニングではありません。
オーナー様は、燃料系の故障で困っていました。
マフラーから黒煙が出続けるレベルで燃料が濃く、このままでは車検の更新も難しいとのことです。インジェクター洗浄や配管リフレッシュ、燃圧レギュレターの交換など、ハードウェアの整備は思いつく限り施したものの、マフラーからの黒煙が消えず、燃費も2km/Lと異常な悪さだったそうです。
残る怪しい部分は純正ECUのみとなったため、MoTeC制御に置き換える御相談を頂きました。
色々と交換して何もかも現代化したエンジンを制御できるのがMoTeC制御の一面ですが、旧来のシステムをそのまま最適化できるのもMoTeC制御の一面です。何もかもリフレッシュするのではなく、スタリオンらしいスタリオンを快適に走らせる。そんなコンセプトで作業させて頂きました。
燃料が濃くなってしまう要素は色々ありますが、基本的な所はセンサー。センサーが故障していたり、バキュームセンサーのホースが裂けたり抜けたりして「エンジン負圧なのにセンサー正圧」だったり、「水温上がってるのにセンサーが低いと認識」などなど。もしくは、センサーは正常なのに信号を拾うECU側が故障している場合です。弊社で配管系を一通りチェックしましたが、気が付く範囲では特に何もありませんでした。
純正ECUからMoTeC M800に制御を切り替えたところ、シングルポイント制御ならではの部分こそ感じるものの、特に濃くなる部分は無く、マフラーからの黒煙も消えました。オーナー様の見立て通り、黒煙の犯人は純正ECUだった模様です。
セッティングの結果、カタログスペック+αの最大出力となり、最初の状態とは雲泥の差でスムーズに。アクセルレスポンスも大きく改善されました。
納車の際にオーナー様にお乗りになって頂いたところ、ずっと不調だったスタリオンが驚くほどスムーズに走るようになったと喜んで頂くことができました。
by avo-motec
| 2022-07-30 16:19
| 取り付け調整
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