2022年 06月 29日
E85のフレックスフューエル |
「サーキットでは少しでも高出力を出したいからレース用ガソリンを使いたい。
でも、ガソリンを変更するのであれば、使用するガソリンに合わせてセッティングを最適化した方が、パワーも出るし良いに決まってる。」
このようにお考えの方、多いと思います。
でも、できることなら
「レース用ガソリンに合わせて現車セッティングしたいけど、街乗りではハイオクを使いたいから、ハイオク用とレースガソリン用それぞれキッチリ合わせた2つのセッティングデータを切り替えて使えればいいのに…」
と、思っていたりしませんか。
例えば、レースガスに合わせて最適化したセッティングと、ハイオクに合わせて最適化したセッティングをスイッチ切り替えで変更できるようにした場合、「ハイオクが少し残ってるところにレースガスを足して使う」…という雑な事をやってしまうと、ノッキングでエンジン破損の可能性があります。
サーキット走行前と走行後にガソリンを全抜きして入れ替える手間を惜しまない人なら問題無いと思いますが、これは少々手間です。
それと、もうひとつ問題があります。
「ハイオクとレースガス用で2つのセッティングをスイッチで切り替えられる」仕様は、スイッチの切り替えを間違えると簡単にエンジンブローしてしまいます。これは言い換えれば「エンジンブローするスイッチが付いた車」というリスクを抱えた状態です。間違ってエンジンを壊しても笑い話にできる人と、絶対に間違いを犯さない自信のある人以外にはお薦めできません。
街乗りとサーキット走行を両立したい人にとって、これはとても悩ましい問題だと思いますが、スッキリと解決してイージーに走ることができる燃料があります。
それがE85です。
E85を簡単に説明すると、エタノール85%+ガソリン15%の燃料で、きっちりセッティングが決まるとレースガスに匹敵する出力と耐ノック性、エンジン温度上昇の抑制などの効果があります。近年入手が容易になってきたころもあり、気になっている人も多い燃料だと思います。
もちろん「きっちりセッティングが決まると」という大前提があるので、E85に合わせて現車セッティングをおこなう必要がありますが、フレックスフューエルセンサーという「燃料内エタノール濃度センサー」を組み合わせた制御をすることで、ハイオクと「適当に混ぜても大丈夫」になってしまうのです。
E85がタンク内でハイオクと混ざり、ガソリンとエタノールの比率が解らなくなっても、センサーがエタノール濃度を常時監視して、自動的に「その時のエタノール濃度で最適な噴射量と点火時期」に設定します。
燃料の比率など一切考える事無く入れっぱなしで全開にできる…というのは、一件ズボラな人のための制御のように見えますが、ハイオクが僅かに残った燃料タンクにE85を入れて、エタノール濃度が80%になっても84%になっても、その濃度に合わせて最適に制御されるというのは、出力・リスク・手間など、どの面から見ても良い事ばかりだと思います。
これらの画像は、MoTeC M800でフレックスフューエルセンサー制御すると同時に、エタノール濃度をディスプレイロガーに表示。ハイオクが残っているタンクに燃料用エタノールを入れて、リアルタイムで変化する濃度を監視している車輌です。




ハイオク100%とE85では燃料噴射量が大きく変わるため、本来はアイドリングしつつ給油などできませんが、フレックスフューエル制御しているため、濃度が大きく変化しても問題無くアイドリングが安定しています。
by avo-motec
| 2022-06-29 13:08
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