2022年 04月 01日
Kジェトロニック |
吸気の負圧を利用して燃料を吸い出し混合気を作るキャブレターとは違い、現代の自動車は電子制御の燃料噴射装置が取り付けられています。
旧車といえばキャブというイメージがあると思います。弊社でも旧車をキャブから電子制御に改造した車輌は数え切れないほどあります。が、キャブレター以上に機械式燃料噴射装置の電子制御化をおこなっています。
日本ではほぼ見ませんが、ヨーロッパやアメリカでは様々な機械式燃料噴射装置が使われていた時代がありました。
機械式燃料噴射装置は、第二次大戦時の戦闘機用として開発された物です。「前後左右からのGに晒されつつ安定した燃料供給ができる装置」なので、キャブを搭載した戦闘機よりも遙かに高性能だったのではないかと想像できます。
機械式燃料噴射装置が自動車に採用されたのは、戦闘機に使われ始めて10年以上経った1950年代から。そこから1990年代のEFI全盛になる過渡期に、ヨーロッパやアメリカの自動車に機械式の燃料噴射装置が採用されました。
弊社で撤去する機械式燃料噴射装置で特に多いのは、ボッシュのKジェトロニック。
サージタンク前の吸気管路に「吸入空気の流量に比例して開閉する蓋(フラップ式エアフロメーター)」があり、シーソーのような原理で「蓋が大きく開くと燃料開閉弁も比例して大きく開く」という仕組みです。
片方が開くともう片方も開く…というだけのシンプルな機械ですが、シンプルなだけに故障も少なく、質実剛健。それがKジェトロです。
ただし、気温や気圧、水温などの条件変化に対応した噴射量の変更ができないため、センサーを追加してフィードバック制御もできるようになったKAジェトロやKEジェトロというアップグレードモデルも誕生しました。
ヨーロッパやアメリカで高級セダンからスポーツカーまで数多くの車輌に採用されましたが、あえて欠点を言うなら制御レスポンスが緩慢なことと、修理がほぼできないことです。
乗らずに長期間放置して、内部のガソリン腐食によりダメージを受けるのはキャブやEFIも同様ですが、Kジェトロはメーカー側が「分解するな」としていることもあり、オーバーホールはできず、オーバーホール用の部品供給もありません。
弊社に相談が来るのは、乗らずに放置した期間が原因でトラブルが出た物が大半ですが、「Kジェトロに精通した専門店以外の店にオーバーホールを依頼した」ことが原因で、さらに調子が悪くなってしまった…というお客様からの御相談も少なくありません。
エンジンレスポンスや燃費を改善したい場合や、不調が発生したKジェトロを外して気持ち良く走らせたい場合は御相談頂ければMoTeC制御のお手伝いが可能です。
ただ、Kジェトロ自体は決して悪い物ではありませんので、問題無く乗れるようであればわざわざEFI化する必要は無いと思います。
弊社の作業は「Kジェトロから別の制御に置き換える」という物です。このためKジェトロ一式を撤去してEFI関係の部品に置き換えますので、クラシックカーらしいオリジナルに準拠したエンジンルームではなくなります。
あくまでオリジナルに準拠したエンジンルームで乗り続けたいという方には向かない「改造」になりますが、「気持ち良く走らせたい」「快調に乗り続けたい」というお客様からは喜んで頂いております。
愛車を末永く走らせ続けたい、Kジェトロの不調から解放されたいとお考えでしたら、ぜひ御相談ください。
by avo-motec
| 2022-04-01 14:37
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