2022年 03月 15日
速さの鍵はセンサー情報 |
ファイヤー安藤選手とエスコートEVOⅨです。
先日Seyamax選手のR32GT-Rに装着されたストロークセンサーを紹介しましたが、もちろんエスコートEVOⅨにもストロークセンサーは取り付けられています。
ただしエスコートEVOⅨは、車高の計測にストロークセンサーを使用していません。
重心を下げるという意味での車高調整ではなく、空力性能的な問題で車高が下がりすぎない調整や設定については、先日も少し書きました。
ボディ下面を流れる空気を増やした方がダウンフォースが強くなる場合もあれば、減らした方が強くなる場合もあり、最高速に最適な車高でバンプストップさせるなど、各チームが最適なセットアップを追求しています。
日本国内のAttackや、オーストラリアのWTACでは定番となっている、タイムアタックのために「手段を選ばない」レベルの空力パーツ。
その中でもフロントバンパー下やフロントバンパーから大きくせり出したアンダーパネルは、単に整流効果を狙った物では無く、フロントウイングと呼ぶレベルの翼断面を持つ物が一般的になりつつあります。
GTウイングのような翼断面形状の物体は、地面近くに取り付ける事で、グランドエフェクト(対地効果、地面効果)と呼ばれる「より強い効果」を得ることができます。
断面形状だけではなく、取り付ける位置や車輌の形状も含めた話になるので一概には言えませんが、「最高速付近では効き過ぎず、コーナリング時には強いダウンフォースが得られる地面との距離」を見極めることができれば、確実にタイムに反映されます。
ここで重要になるのがダウンフォースが発生した状態の車高。
ストロークセンサーを使うことでダンパーの沈み具合から車高を測定するのが一般的ですが、ここまでダウンフォースの塊のような空力パーツで武装してしまうと、地面に押しつける力が強烈過ぎて、ダンパーだけではなくタイヤも激しく潰れる…ことが容易に想像できます。
エスコートEVOⅨは、走行中にボディパーツと地面の距離を正確に掴み、コーナリングフォースや最高速との因果関係を数値化するべく、レーザーセンサーを取り付けて地面との距離をMoTeC C187ディスプレイロガーで記録しています。
一度セットを決めれば計測は不要…などではありません。
例えば同じGTウイングを同じ角度で取り付けたとしても、筑波を1分10秒で走る車と1分フラットで走る車、50秒で走る車では、発生するダウンフォースは異なります。空力パーツは速度が増すほど強く効こうとするからです。
「そんな物チェックしたって速くならない。」
「デカい羽根とカナードを付けときゃOK。」
果たしてそうでしょうか。
チーム・エスコートとファイヤー安藤選手は、今でこそ国内の7つのサーキットでコースレコードを樹立する速さですが、タイムアタックに参戦した当初、周囲は「パワーだけでタイムが出ると思うなよゼロヨン屋!」という雰囲気で充ち満ちていました。しかも日産系に強いエスコートにとって、ランエボは初めて触るに等しい車です。
そんな逆風の中、一足飛びでライバルを越えるタイムを記録し続けて来れた理由は、パワー、軽量化、空力性能、足回りのセットアップを、センサー情報のログを資料にアップデートしてきたからに他なりません。
このように、車体もエンジンも、データを数値化して記録し、何をどう変えると結果が変わるのかを見極めることさえできれば、どんどん進化させ、さらに追求することができます。その結果はファイヤー安藤選手とチーム エスコートが数値で証明してくれている通りです。
とことん追求したい人からの御相談、お待ちしております。
by avo-motec
| 2022-03-15 18:31
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