◆点火時期とノッキング その4 |
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2021年 07月 01日
点火時期について解説してきましたが「ノッキング寸前まで進角させる」とは言っても、どれくらい安全マージンが必要なのか理解していなければ、無駄に遅角して数十馬力もロスしてしまう可能性があります。 どんな状況でノッキングが発生しやすいのか、どれくらい点火を進角するとノッキングの兆候が見えるのか。これを確実に数値化するのは、データロガーが最適です。 M800・600・400の場合SKM(スタンドアロン ノックモジュール)を組み合わせることで、ノックコントロールが可能になり、ランサーエボリューションやインプレッサ用のM800 OEMの場合はOKM(オンボード ノックモジュール)を組み合わせることで、ノックコントロールが可能です。 この画像は、6気筒のエンジン(ブースト0.9キロで623ps)で、点火タイミングは上死点前21度に設定してあり、この時点で点火タイミングの調整は完了しています。 ここから、マージンをギリギリまで削ってでも速さを追求するために、さらに点火を4度進角してみました。これで点火タイミングは上死点前25度。いつノッキングが発生してもおかしくありません。 この状態でノック補正を掛けて、ノックレベルが高くなった気筒だけ点火時期を20度まで遅角」するように設定しました。 すると、画像内の①の場所で6番シリンダーだけ過大なノッキングが発生。即座に6番シリンダーだけ点火タイミングを25度から20度に遅角してノッキングを回避しています。 マルチシリンダーエンジンの場合、エンジン冷却水の流れの問題や吸排気のムラが起こりやすく、すべての気筒で燃焼が均一にはなりません。このため他のシリンダーよりも「ノックが出やすい気筒」が存在する場合が多いのです。 「点火時期23度でノッキングが出たから21度に設定」した場合でも、実際は「ノックが出やすい気筒」が23度でノッキングしただけで、他の気筒は25度まで進めても大丈夫かもしれません。もっともノッキングが出にくいシリンダーは27度でも大丈夫かもしれません。 本来であれば、すべてのシリンダーはバランス良く均等に燃焼させるべきですが、ギリギリの駆け引きが必要なレースの場合、すべての気筒のポテンシャルを極限まで引き出してでも出力を優先する場合があります。 MoTeCのノックコントロール機能を使って点火時期を追求すれば、すべての気筒を個別にノック限界まで進角させることが可能なのです。 また、なぜノック限界の差がここまで生まれるのか、と立ち止まることで、エンジンを組む際にノック限界を引き上げる対策ができるようになるかもしれません。チューナーやエンジニアがMoTeC ECUを使って追求を続けることで、そんな可能性の糸口に辿り着いた事例は世界中にあります。 ちなみにMoTeC M1シリーズは、標準でノックコントロール機能を内蔵していますので、純正もしくは後付けノックセンサーを接続して使用する事が可能です。 ノッキングと点火タイミング、エンジン回転、水温、吸気温などの相関関係が一目瞭然になるため、水温、吸気温度ごとの補正値等も無駄に遅角させ過ぎない範囲が理解できるようになり、あらゆるシチュエーションで速いセッティングを追求できます。 R35 GTR用、86/BRZ用、FK8タイプR用など専用パッケージモデルのM1の場合、単にエンジンのベースデータが入っているだけではなく、ノック制御も設定されています。ストリートチューニングから競技専用のハードチューンまで、極限の点火セッティングを追求できると同時に、イザという時ノッキングからエンジンを守ります。
by avo-motec
| 2021-07-01 17:36
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