2021年 06月 29日
点火時期とノッキング その3 |
前回、ノッキングの発生は上死点後12度を中心に10度~50度の範囲に多いと解説しました。これはノックセンサーで実際に計測された数字です。
(実際の点火時期は上死点前です。混合気が燃焼した際の燃焼圧力が最大近くなるポイントでノッキングが発生します)
もちろん、同じエンジンでもレギュラーガソリンではなく、ハイオクガソリンを使った方が点火時期をより進角することができます。ハイオクではなくレースガソリンを使うことで、さらに進角できるようになります。
高性能なレースガスを使用した場合、もはや通常のセッティングから多少逸脱してもノッキングは発生しなくなるばかりか、
「これ以上進角してもパワーアップしない」
を通り越して
「進角し過ぎて逆にパワーダウンする」
領域まで点火を進角させることが出来るようになります。
(もちろんエンジンを壊すリスクがあります)
前回、ノッキングは「高すぎる圧縮の中では、燃焼スピードよりも膨張速度が上回るため、燃焼室の端の混合気は燃焼する前に押しつけられて、ついに超高圧縮&超高温状態で自己着火。」と説明させて頂きましたが、オクタン価の高いガソリンは高い圧縮や高温で自己着火しにくく、ちゃんと燃え広がるガソリンの炎で燃焼します。
「超高温、超高圧縮」耐性が高いのが、オクタン価の高い燃料です。「プラグの点火や火炎伝播による燃焼」は通常のガソリンと同様に良好です(よくハイオクは「燃えにくい」と表現をする人が居ますが、それは間違いです)。
ちなみに、レース用ガソリンと言っても色々で、点火を猛烈に進角できるものもあれば、あまり進角できない物もあります。他にも同じ点火時期でより高出力を得られる物、より薄い空燃比で真価を発揮する物、大量に噴射することで真価を発揮する物など千差万別です。使用するガソリンが本来持つ性能をフルに引き出すためにも、必ず現車セッティングで最適な空燃比と点火時期に調整することが肝心です。
話が横道に逸れましたが、このように高いノッキング耐性のあるレース用ガソリンを使うと、点火時期の「これ以上進角してもパワーが出ない」ポイントに辿り着けることが理解できたと思います。
そして、このポイントこそ、上死点後10度~12度付近で燃焼圧力が最大になった際のリスクであり、ここよりも上死点寄りでノッキングが発生しない(ノッキング以前に壊れるリスクの方が高い)理由なのです。
つづく
by avo-motec
| 2021-06-29 16:10
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