2021年 05月 31日
MoTeC M1のインジェクター制御 |
◆二本足で歩くロボットを開発しました。
問題なくまっすぐ歩きますが、凸凹道に入ると転びそうになるので、一定の角度以上の傾きをジャイロセンサーで認識して、転ばないように自分で補正します。
◆これに対して人間は、
舗装路の先が凸凹道だと目視で確認したら、転ばないように凸凹道に適した歩き方をします。
上の2つの例は、凸凹道に入って転びそうになってから「場当たり的に対応」するロボットと、舗装路から凸凹道に移るのを理解して「問題無く対応」する人間の違いですが、ロボットにセンサーを追加して、移動先が凸凹道になることを把握させたり、凸凹道に入る瞬間から対応する歩行プログラムに切り替えることで、人間の動作に近づけることが可能です。
MoTeC M1と従来型ECUの違いは、まさにこの点にあります。
燃焼が終わった排気ガス中の空燃比の変化に応じてエンジン制御するよりも、状況を予め理解して最適な燃料噴射をする方が、制御レスポンスが速いのは当然です。
以前「◆空燃比センサー その2」
で、MoTeC M1の制御について以下のように解説しました。
「インジェクターに0.01秒通電したら、どれだけの量のガソリンを噴射するか」
「噴射したガソリンがどれくら気化し、どれくらいポート壁面に付着するか」
「混合気がどれくらいシリンダーに充填されるのか」
を、すべて把握した上で、刻々と変化するシチュエーションに応じて精密な燃料噴射をおこないます。
これによって、従来あった「燃料噴射マップ」「加速増量補正」は無くなり、無駄のない精密な燃料噴射を実現します。
https://www.facebook.com/motec.jp/posts/4009057629214791
MoTeC M1はインジェクターを自分の手足のように精密に扱いますが、インジェクターがMoTeC M1の思い通りに動かなければ、この制御は実現できません。
0.01秒の通電で噴射されるガソリンの精密な量と、噴射したガソリンの何%が燃焼し、何%が未燃焼ガスになるかを完璧に理解していなければ、「排気ガスの空燃比を読んで判断する旧来のECU」と変わりません。
このような制御を完璧にこなすためには、インジェクターのあらゆる特性をM1にプログラムする必要があります。むしろ、それを無くして精密制御は不可能です。
その一つは「◆無効噴射時間の、その先を制御」
で、先週紹介しました。
MoTeC M1は、この部分を数値化して、噴射量×燃圧×噴射時間×電圧の4Dテーブルに詳細にマッピングすることができます。
これを極めることで、波打つガソリン量を完全に把握するのです。
https://www.facebook.com/motec.jp/posts/4066134666840420
インジェクターの種類ごとに特性の異なる僅かな噴射量の変化を把握させる事で、無駄も不足もない最適な噴射をMoTeC M1ができるようになります。
そして「◆フューエル フィルム」
で解説した…
ポートに付着する燃料は、さまざまな条件で増減すると共に、蒸発する条件もさまざまです。この、従来あいまいだった「さまざまな条件」をすべて数値化することによって、より無駄の無い精密なエンジン制御を追求できます。
https://www.facebook.com/motec.jp/posts/2222997474487491
インジェクターから噴射されたガソリンは、どんなに霧化が良いインジェクターであっても、何%かはポート壁面に付着して液化し、何%かは混合気になっても完全燃焼できず未燃焼ガスとして排出されます。
「最新の高性能インジェクター」
や
「霧化の良いインジェクター」
に交換するというのは、たくさんある条件のひとつに過ぎません。
重要なのは、可能な限りの情報をECUが認識することで、あらゆる条件で無駄も不足も無い最適な量のガソリンを噴射できるか。という部分です。
MoTeC M1は、刻々と変化する水温や吸気温度、エンジン回転速度、ブーストに対して、無駄なく精密な量のガソリンを噴射することができるからこそ、「排ガスの酸素量を計測」する前から必要なガソリンの量を判断できるし、精密な量を噴射することができるのです。
MoTeC M1の登場から10年以上経ちましたが、今なお日々アップデートを繰り返すソフトウェアの進化によって、これらの制御は圧倒的なパフォーマンスの差となりました。
制御の違いが生む自然でなめらかなフィーリングを、ぜひ貴方と貴方の愛車でお試し下さい。
by avo-motec
| 2021-05-31 13:34
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