無効噴射時間の、その先を制御 |
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2021年 05月 28日
■前回解説した無効噴射時間を3行要約■ ・インジェクターは通電しても燃料が出るまでタイムラグがある ・タイムラグはインジェクターごと、電圧ごとに異なる ・ラグの数値をECUに設定することで自動補正ができる 噴射するまでのタイムラグが「インジェクターそれぞれで個性がある」のは理解できたと思いますので、次に進みます。 インジェクターの噴射方法をおさらにすると、 ECUがインジェクターに送る電気は0か100で、インジェクターは全閉か全開しかできない弁。この弁の開いている時間を極小にすることで噴射量を減らし、開いている時間を延ばすことで噴射量を増やしています。 当たり前な話ですが、この全閉から全開に弁が開く僅かな瞬間、全開になる前からガソリンは流れ出しています。液体であるガソリンは、高圧下から解放された瞬間に僅かに波立って噴射されているのです。 しかもインジェクターの種類や燃圧によって、ここで波立つ具合いがまったく異なるのです。 ECUは燃料を噴射させたい時間+無効噴射時間を自動補正して、きっちりとガソリンを噴射しようとしているのに、ガソリンは噴射の瞬間に波立って正確な噴射量になりません。 そして、この問題は通常のECUでは調整することが出来ないどころか、このような事が起きているかどうかすら把握することが出来ません。 MoTeC M1は、この部分を数値化して、噴射量×燃圧×噴射時間×電圧の4Dテーブルに詳細にマッピングすることができます。 これを極めることで、波打つガソリン量を完全に把握するのです。 これで何が変わるかといえば、僅かずつ無駄に噴射していたガソリン噴射を必要量に抑え、同時に僅かずつ不足していた領域も適正な噴射量になります。完全燃焼の追求が、無駄な失火、無駄なガソリン消費、無駄な排ガスを抑え、体感的には「よりクリアで自然なフィーリングとサウンド」に仕上がります。 インジェクターごとに長さや太さが異なり、メーカーによって明らかに形状が異なる物に至っては、内部の設計もまったく違う。そんなインジェクターそれぞれの個性を数値化して4Dテーブルにマッピングするのは、実際問題簡単ではありません。 が、実はMoTeC M1には、世界的に流通している約400種類のインジェクター情報が内蔵されていて、ソフト上で名前を選択するだけで4Dテーブルの情報を読み出すことができるのです。 もちろん、この機能を使わずにセッティングすることも可能ですが、低中回転域のフィーリングは明らかに別物となります。 そんな僅かな違いで本当に燃費が変わるの? …と、疑問に思う方もおられると思いますが、例えば840rpmでアイドリングしている4サイクルレシプロエンジンの場合、各気筒のインジェクターは1秒間に7回噴射しています。1時間アイドリングすれば25,200回。6気筒エンジンなら151,200回です。3000rpm巡航なら54万回。ほんの僅かな誤差かもしれませんが、54万回節約すれば数字に現れます。同じように、マフラーの出口を汚す黒いススも、54万回排出を減らせば相当汚れなくなってくることが理解できると思います。 1回1回の燃焼で変わる変化が僅かだったとしても、6気筒の3000rpmなら1秒で150回燃焼しているので、僅かな違いを150倍で体感することになります。 「M1は全然違う」とコメントを下さるストリート車輌のオーナー様、M1に制御を替えたことでサーキットのベストラップを更新したドライバー様、皆様の笑顔の秘密は、MoTeC M1の従来以上に緻密な制御の結果なのです。 MoTeC M1だからできる、MoTeC M1にしかできない制御を、貴方自身の愛車で、是非体感してください。
by avo-motec
| 2021-05-28 19:31
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