2021年 05月 26日
無効噴射時間 |
EFI制御のエンジンは、インジェクターからガソリンを噴射して混合気を作りますが、インジェクター自体は単なる開閉弁。燃料ポンプが強烈な圧力でガソリンを圧送しているからこそ、勢いよくガソリンが噴射できるのです。
このシステムを使って精密にガソリンを噴射するためには、エンジン制御ECUがインジェクターを正確なタイミングで開閉する必要があるのですが、実はインジェクターの開く時間が一定では無かったとしたら…
例えばECUがインジェクターに0.5秒燃料を噴射させようとした場合、0.5秒インジェクターに通電する。…では駄目です。
デジタル機器であるECUにしてみれば、「0.5秒作動させるのに0.5秒信号を出す」は当たり前ですが、インジェクターは弁を開いてガソリンを通すアナログ機器なので、通電してから実際に
・電磁バルブがスライドして開く
↓
・ガソリンが流れる
↓
・ガソリンを噴射する
という動作にはタイムラグが存在します。
このタイムラグが0.1秒だったとすると、インジェクターに電気が流れる0.5秒のうち、最初の0.1秒はガソリンが噴射されません。これがインジェクターの「無効噴射時間」です。
0.5秒噴射したいのに、噴射までのタイムラグが0.1秒あるなら、通電時間を0.6秒に増やす必要があるのが判ると思いまが、実はそう単純な話では無く、インジェクターに掛かる電圧によって、無効噴射時間は長くなったり短くなったりするのです。
さらに、インジェクターの種類によっても、無効噴射時間が長い物と短い物が存在します。
無効噴射時間の恐ろしいところは、電圧ごとに変化するという部分に尽きます。
エアコンやヘッドライトを付けた瞬間に車体の電圧がドロップした経験のある人は多いと思います。電気関係の設計が古い時代の車輌の中には、エアコン、オーディオ、ワイパー、ヘッドライトの同時使用+ブレーキランプやウインカーの同時点灯で、バッテリーが上がってしまう車種もあります。
このように、車体の電圧は常に一定ではありません。
電圧が常に変化するということは、無効噴射時間も常に変化するという事です。
予測できない「電圧」というファクターで、急に燃料が薄くなってノッキング… が起きる可能性もゼロではありません。
MoTeC M800をはじめとする多くのECUでは、インジェクターに掛かる電圧ごとの無効噴射時間を設定する項目があります。
無効噴射時間の数値はインジェクターメーカーが公表している場合がほとんどなので、その数値を入力するだけで、自動的に噴射時間を補正してくれます。
この補正機能があるお陰で、常に電圧が上下するにも関わらず、それを気にすること無くエンジンが回り続けてくれるのです。
もちろん最新モデルのMoTeC M1にも、無効噴射時間を補正する項目はあります。が、無効噴射時間の設定だけではないのがM1。
次回は、M1で突き詰めることができるインジェクター設定を紹介。よりスムーズで低燃費に仕上がる秘密のひとつを解説します。
by avo-motec
| 2021-05-26 17:44
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