2020年 03月 27日
最速を狙うためのパドルシフトコントロール |
ファイヤー安藤選手のランサーEVOⅨに採用して頂いている、MoTeC M1を使用した特別なエンジン制御。
それはパドルシフトコントロールです。
「それはミッションの制御でエンジンの制御じゃないだろ」と、ツッコミが入りそうですが、ギアチェンジの瞬間にエンジンを精密に制御して、アタック中はクラッチペダルを踏まずにシフトアップ、シフトダウンしているのです。
是非動画で御確認ください。
(より詳しく知りたい方は、以下のページの一番下を御覧ください。)
http://www.avomotec.com/m1.html
ここでは、MoTeCのパドル制御が「どうしてタイムアップに繋がるのか」という部分のカラクリを解説します。
パドルシフトは、シーケンシャルミッションのシフトレバーを、人力ではなくエア圧で操作しています。パドルはそのためのスイッチです。
元々シーケンシャルミッションは、レバーを前後するだけでシフトチェンジができます。わざわざレバー操作ではなく、パドルでシフトチェンジするのには、2つの理由があるのです。
ひとつは、コーナリング中でもステアリングから手を離すこと無くシフトチェンジできること。
もうひとつは、クラッチを踏むこと無く最短最速のシフトチェンジができることです。
「狙ったラインを集中して通過したい」から、本当ならコーナーの手前か抜けた後にシフトチェンジしたいけど、そういうわけにもいかない。
このようなシチュエーションの際、どのように操作するかはドライバー次第ですが、ステアリング操作と同時にシフトチェンジが可能なパドルシフトなら、コーナリング中に“ライン取りに集中しながら容易にシフトチェンジできる”というのは、コンマ1秒以下のタイムを削る競技だけに、非常に有効な手段といえます。
そしてもうひとつの、クラッチペダルを踏むことなく「最短最速のシフトチェンジ」ができるという物ですが、これはレバーで操作するシーケンシャルミッションでも、フラットシフトやシフトカットと呼ばれる制御ができるため、「何が違うの?」と思う人も多いと思いますが、こちらはシフトアップだけではなく、シフトダウンもクラッチを踏まずに制御します。
減速時、ブレーキに集中しつつヒール&トゥで回転を合わせつつシフトダウンという流れではなく、ブレーキに集中しつつパドル操作のみでシフトダウンします。クラッチペダルもアクセルペダルも踏まずにシフトダウンするため、電子スロットルと燃料/点火の絶妙な設定が必要になります。
シフトアップ/シフトダウン共に、外部コントローラー無しでエンジン制御ECUが一括コントロールするのは、特別難しいことではありません。が、タイムを削るレベルの制御が可能かと言えば、簡単ではない面があります。
例えばパソコンやスマホ、買った当初は快適に操作できたのに、年月が経過すると操作レスポンスが悪くなってきて、少々イライラした経験はありませんか? これは、さまざまなアプリケーション(ソフト)をインストールしたことで、バックグラウンドで複数の演算をしているのが理由のひとつです。
エンジン制御用のECUにも、同じ事が言えます。
燃料制御、点火制御などのマップだけ作成し、各種補正を一切設定しない場合は気にならないのに、折り重なるように数々の補正を設定すると制御スピードが目に見えて遅くなるECUも存在します。
さらに、ここで外部入力(パドル信号)で俊敏にシフトチェンジ制御をするプログラムを追加した場合、果たして制御スピードを維持できるのか …という部分が焦点となります。
エンジン制御と平行して、このような制御を遅延なくおこなうためには、ソフトウェアの性能だけではなく、ハードウェアの性能が必要不可欠です。
MoTeC M1シリーズは、M800シリーズを圧倒する8倍の制御スピードを実現しておりますが、何故この処理速度が必要になるか。それは数々の制御を同時におこなっても、処理速度が落ちるどころか従来以上の速度で制御するためなのです。
「クラッチを踏まずにパドルでシフトチェンジできる」ことが目的ではありません。あくまで機能を生かして車両性能を向上させることが目的です。
チーム・エスコート&ファイヤー安藤選手のお手伝いをさせて頂いた事で、我々MoTeC Japanでも、核心とも言える「パドルが使えます…ではなく、パドルでタイムを削れます」を立証できました。
ぜひ動画でクラッチを踏まない最速ラップを御確認ください!
それはパドルシフトコントロールです。
「それはミッションの制御でエンジンの制御じゃないだろ」と、ツッコミが入りそうですが、ギアチェンジの瞬間にエンジンを精密に制御して、アタック中はクラッチペダルを踏まずにシフトアップ、シフトダウンしているのです。
是非動画で御確認ください。
(より詳しく知りたい方は、以下のページの一番下を御覧ください。)
http://www.avomotec.com/m1.html
ここでは、MoTeCのパドル制御が「どうしてタイムアップに繋がるのか」という部分のカラクリを解説します。
元々シーケンシャルミッションは、レバーを前後するだけでシフトチェンジができます。わざわざレバー操作ではなく、パドルでシフトチェンジするのには、2つの理由があるのです。
ひとつは、コーナリング中でもステアリングから手を離すこと無くシフトチェンジできること。
もうひとつは、クラッチを踏むこと無く最短最速のシフトチェンジができることです。
「狙ったラインを集中して通過したい」から、本当ならコーナーの手前か抜けた後にシフトチェンジしたいけど、そういうわけにもいかない。
このようなシチュエーションの際、どのように操作するかはドライバー次第ですが、ステアリング操作と同時にシフトチェンジが可能なパドルシフトなら、コーナリング中に“ライン取りに集中しながら容易にシフトチェンジできる”というのは、コンマ1秒以下のタイムを削る競技だけに、非常に有効な手段といえます。
そしてもうひとつの、クラッチペダルを踏むことなく「最短最速のシフトチェンジ」ができるという物ですが、これはレバーで操作するシーケンシャルミッションでも、フラットシフトやシフトカットと呼ばれる制御ができるため、「何が違うの?」と思う人も多いと思いますが、こちらはシフトアップだけではなく、シフトダウンもクラッチを踏まずに制御します。
減速時、ブレーキに集中しつつヒール&トゥで回転を合わせつつシフトダウンという流れではなく、ブレーキに集中しつつパドル操作のみでシフトダウンします。クラッチペダルもアクセルペダルも踏まずにシフトダウンするため、電子スロットルと燃料/点火の絶妙な設定が必要になります。
シフトアップ/シフトダウン共に、外部コントローラー無しでエンジン制御ECUが一括コントロールするのは、特別難しいことではありません。が、タイムを削るレベルの制御が可能かと言えば、簡単ではない面があります。
例えばパソコンやスマホ、買った当初は快適に操作できたのに、年月が経過すると操作レスポンスが悪くなってきて、少々イライラした経験はありませんか? これは、さまざまなアプリケーション(ソフト)をインストールしたことで、バックグラウンドで複数の演算をしているのが理由のひとつです。
エンジン制御用のECUにも、同じ事が言えます。
燃料制御、点火制御などのマップだけ作成し、各種補正を一切設定しない場合は気にならないのに、折り重なるように数々の補正を設定すると制御スピードが目に見えて遅くなるECUも存在します。
さらに、ここで外部入力(パドル信号)で俊敏にシフトチェンジ制御をするプログラムを追加した場合、果たして制御スピードを維持できるのか …という部分が焦点となります。
エンジン制御と平行して、このような制御を遅延なくおこなうためには、ソフトウェアの性能だけではなく、ハードウェアの性能が必要不可欠です。
MoTeC M1シリーズは、M800シリーズを圧倒する8倍の制御スピードを実現しておりますが、何故この処理速度が必要になるか。それは数々の制御を同時におこなっても、処理速度が落ちるどころか従来以上の速度で制御するためなのです。
「クラッチを踏まずにパドルでシフトチェンジできる」ことが目的ではありません。あくまで機能を生かして車両性能を向上させることが目的です。
チーム・エスコート&ファイヤー安藤選手のお手伝いをさせて頂いた事で、我々MoTeC Japanでも、核心とも言える「パドルが使えます…ではなく、パドルでタイムを削れます」を立証できました。
ぜひ動画でクラッチを踏まない最速ラップを御確認ください!
by avo-motec
| 2020-03-27 10:06
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