2019年 07月 30日
フューエルインジェクターの話 2 |
エンジンの低~中回転域では、吸気バルブを開いたタイミングに合わせて燃料噴射タイミングを調整できます。260度のカムで1000rpmの場合は、バルブが開き初めて、一瞬全開となり、そこから徐々に閉じる。この間0.043秒。
この瞬間に燃料を「噴射する」のではなく、「シリンダーに燃料を送り込む」のが燃料噴射のチューニングです。
バルブが開くタイミングに合わせなくても、バルブの傘やポート壁面に当たった燃料は、バルブが開いた瞬間に燃焼室に入ります。なので燃料噴射タイミングを細かく制御しなくても、アイドリングさせることはできてしまいます。
ところが、吸気バルブが開くタイミングで燃料噴射をすると、吸入空気の流れに燃料を乗せることができるため、スムーズに燃焼室に送り込むのと同時に、よりよい混合も見込めます。もちろん壁面に付着する燃料の量にも大きな差が出るため、燃費やレスポンスにハッキリと違いが出るのです。
燃料噴射タイミングを10度ずつずつずらしていくと、空燃比が濃くなる部分が現れます。さらに1度ずつ動かして「より濃い」部分を探し、さらに0.1度ずつ動かして「一番濃い」部分に設定。ここが吸気バルブと燃料噴射のタイミングが合っている箇所です。
噴射タイミングが合ったことで、壁面に付着して無駄になっていた燃料がタイミング良くシリンダー内に入り、空燃比が濃くなったのです。濃くなった分を再セッティングで適正化すれば、アクセルのツキも燃費も良くなります。これが燃料セッティングの追求です。
MoTeC ECUの場合、チャートレコーダーという折れ線グラフで空燃比の変化が一目瞭然。これを見ながら調整できるので、誰でも簡単に噴射タイミングの調整ができます。
もちろん、アイドリング回転だけではなく、噴射タイミングは各回転域ごとにセッティングする必要があり、各回転ごとにピタリと合わせるだけでエンジンのフィーリングは激変します。
では、この「燃料噴射タイミング調整」は、どれくらいの回転数まで有効でしょうか。どれくらいの回転数から無意味になるでしょうか。
実はここも、エンジニアの「考え方」「造り方」で大きく変わってくる部分なのです。
つづく
by avo-motec
| 2019-07-30 18:20
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