フェラーリ328 MoTeCフル電子制御 その1 |
フェラーリだけの話ではありませんが、古い自動車はエアコンの不調に始まり、電装関係のトラブルや燃料漏れは「起きて当たり前」です。
特にこの328の場合、外装はピカピカに見えても中身は30年もの。そして、基本の基本のそのまた基本である電気関係の設計部分は、50年以上前にデビューしたディーノと大きく変わっていません。ダメとは言いませんが、部分的には「電源を絶対に入れないならば、このままでも良いのでは?」と感じるほどです。
クラシックカーで起きる車両火災の大半は、ガソリン漏れやオイル漏れによるものよりも、電装系のショートが原因なのですが、これは「具体的にこの部品がショートしやすい」という物ではなく、すべての配線と接点が疑わしいという状態です。
つまり、配線をすべて引き直すことで、車両火災の可能性を大幅に引き下げることができるのです。もちろん、単に同じ線で引き直すだけでは「設計上の同じリスク」を再現するだけになる部分があるため、最新のシステムでリフレッシュさせます。
もちろん、電気配線をリフレッシュしただけでは片手落ち。「すべての配線をリフレッシュ」という御依頼には、エンジン配線のリフレッシュも含まれています。純正のKジェトロニックを撤去して、MoTeC M1を使用したインジェクション化を、同時に施しました。
つづく