2018年 06月 28日
誰も語らないけどマセラティはエンジンが超凄い その4 |
<その1>~<その3>では、マセラティが持つ「他メーカーに対して数十年のアドバンテージを持つエンジン」の素晴らしさについて解説しました。その中で紹介させて頂いた、御客様のマセラティ222 4Vを、仕様変更することになりました。
ノーマルはカタログ値で280ps(ブースト0.8キロ)ですが、弊社で計測したところ、この個体は230ps(0.6キロ)でした。元々0.6キロなのか、何らかの理由でブーストが下がっているのかは判りませんが、MoTeC ECU制御の第一段階としてオーナー様に違いを体感してもらうため、純正ECUを完全撤去してMoTeC制御化。ブースト0.6キロ/最大パワー230psという、シャーシダイナモ上の計測値は同じまま、御納車させて頂きました。
パワーやトルクの数字が同じなら、乗ったフィーリングにも変化が無いというのは大きな間違いです。
極低速域からのトルクが向上したことに加え、アクセルレスポンスやブーストの立ち上がりの鋭さが激変。滑らかで上品なフィーリングにも一層の磨きがかかり、オーナー様は大満足してくれました。
今回はオーナー様の御希望で、カタログ値と同じ0.8キロまでブーストアップ。
の予定でしたが、熟考に熟考を重ねた末、リスクを覚悟で1.0キロで設定して欲しいとのことです。
新車の状態であれば、多少のパワーアップでも大きなトラブルに直結することは少ないと思いますが、なにぶん30年前のモデルだけに、何が起きても不思議ではありません。
ブーストを少しずつ上昇させつつ、慌てずに様子をみつつ、セッティングを開始。ブースト0.8キロの時点で265psになりました。0.6キロから35psの出力アップです。ブースト、水温、吸気温度共に安定していて、とても良い状態です。
ここからさらにブーストを1.0キロまで上昇させてセッティングしたところ、284.2ps/44.3kg-m。前回のパワー/トルクのグラフと重ねて比較すると判りますが、段違いのエンジン性能です。
パワーの立ち上がり方を見れば判る通り、加速は強烈そのもの。
最大出力の数字だけを見ればJZA80スープラ(ターボ)と同等ですが、立ち上がりの鋭さ、車重の軽さ、ホイルベースの短さに圧倒的な差があるため、体感加速は段違いにこちらが上です。
実際にセッティングした感想は、ブースト0.8キロなら問題ありませんでしたが、1.0キロではアクチュエーターの限界でブーストコントロールが難しくなってきました。インタークーラーも容量的にいっぱいなようで、吸気温度も上昇しています。そして純正インジェクターも使い切りました。さらに出力を追求する場合には、相当数の補機類を一新する必要があり、現状は文字通り「持てる性能をフルに引き出している」状態です。
強烈な加速ですが、いわゆるドッカンターボではなく、右足でリニアに加速をコントロールできます。シフトダウンしなくても高いギアのままグイグイ加速するので、ドライブも楽になりました。
MoTeC ECUは、付けただけでパワーアップする箱ではなく、「エンジンを本来の性能で作動させる装置」です。つまり、これだけの性能に仕上がったのは、すべてマセラティの素晴らしいエンジン設計に因る物であり、当時のECUでは引き出すことができなかった、ザ・マセラティ真の姿なのです。
実際にブーストが掛かった際の加速感は、冗談抜きで後継車のギブリIIどころか、スペチアーレのシャマルと同等。これだけのポテンシャルを秘めた秘めた量産エンジンを、あの時代に製造していたという事実に改めて驚かされました。
誰も語らないけどマセラティはエンジンが超凄い
by avo-motec
| 2018-06-28 18:41
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