2017年 08月 29日
誰も語らないけどマセラティはエンジンが超凄い その3 |
バブル時代、アルマーニやヴェルサーチと共に「お洒落な男のアイテム」としてメルセデス190EやBMW3シリーズが街に溢れていた時代、ひと味違うカッコ良さを求める男子が注目したのが、マセラティ・ビトルボ。
ただし、ビトルボは単なる洒落たクルマではなく、世界初の量産ツインターボエンジンを搭載するスポーツカー。助手席の女性を魅了させる以前に、ドライバーがビトルボに魅了されてしまう。そんなクルマでした。
ここからが本題です。
この車輌は、マセラティ222 4V。
2.8LのDOHC 24バルブ V6ツインターボ+ツインインタークーラーです。
歴代ビトルボシリーズは、キャブレター → 初代インジェクター → 二代目インジェクターと、エンジン制御が変貌していますが、この車輌は初代のインジェクション制御車です。
弊社で普段おこなうエンジン制御と比較して、大きく異なる部分はなく、とても完成された制御システムが採用されています。
特徴的なのは、エンジン制御コンピューター(ECU)が2基搭載されているところです。多くのイタリア製スーパーカーは、Vバンクの左右を個別のECUで制御しています。ビトルボ系も最終のギブリIIはVバンクの左右を個別制御していますが、222 4Vは違います。ひとつ目のECUが点火制御、ふたつ目のECUが燃料制御と、燃料と点火を個別のECUで制御しているのです。これには特許など外的な要因も含まれているようですが、問題は中身。
簡単に説明すると、当時のスペックでは繊細な制御が困難でした。
今回は、純正のECU、ブーストコントローラー、点火コイル、デスビなどを撤去して、制御系はMoTeCで完全制御することになりました。
オーナー様から「デスビの入手が困難なので、同時にダイレクトイグニッション化して欲しい」という御依頼があったため、同時に点火系もリフレッシュすることになりましたが、ギブリIIのコイルをそのまま買ってきて使うのでは芸がありません。
ヘッドカバーのプラグホール径や深さを計測して、ジャストフィットするプラズマダイレクトを、オカダプロジェクツ様に御用意して頂きました。これなら、あとあと出力アップした際にも失火の心配は無さそうです。
エンジン本体を含め基本はノーマルのままですが、デスビとプラグコードが無いだけで、エンジンルームの雰囲気がガラリと変わりました。
ノーマルの時点で弊社シャシダイで性能チェックをしたところ、ブースト0.6キロ/230psでした。カタログ値はブースト0.8キロ/280psなので、-0.2キロ/-50psですが、決して悪い数字ではないと思います。
MoTeC制御にした第1段仕様は、純正と同様のブースト0.6キロ。
パワーもトルクも、最大値は純正と大きな変化はありませんが、制御の差が歴然なので、乗り味が驚くほど変化しました。
ノーマルは極低回転域の常用域でトルクが薄く、若干「乗りにくさ」を感じるギクシャク感がありましたが、スムーズに走れるようになったお陰でギクシャク感から解放されただけではなく、とても乗りやすく気持ちの良いフィーリングになりました。
中回転域では、ブーストをMoTeCが一括制御しているお陰で、ターボの立ち上がりの早さが激変。ノーマルよりも低い回転からブーストが立ち上がるだけではなく、立ち上がる速度も鋭くなったお陰で、街乗りするだけでも気持ち良さが倍増しました。
御客様にも喜んでもらうことができて、私達も大変喜ばしいです。
今後、マフラー交換のご予定があるとのことですので、その際にブーストを「本来の純正値」である0.8キロにアップ。
ポンプやインジェクターの容量、純正ターボチャージャーの特性を見極めつつ、ヘッドガスケットやタービンの交換を視野に入れつつ(もちろん、エンジン以外の部分の含めて)、ステップアップを考えていきたいと思います。
今回、制御を一新したことで、驚くほどの進化を遂げることができました。
これはMoTeC制御にしたお陰で…というよりも、エンジン本来の設計・性能が素晴らしいことの証明であり、この結果から、それが改めて立証されました。
最期に特筆したいのは、エンジンの滑らかなフィーリング。
「この驚くべき性能のエンジンを、コンパクトなボディと豪華な内装で走らせる」という、唯一無二なコンセプトを現実にし、他にはない「所有感」、「満足感」を感じさせるのは、このエンジン以外に考えられません。
優しさ、滑らかさを感じつつ、どこまでも加速していくようなフィーリングが、驚くほどクルマのイメージとピッタリ。
一言で説明するなら「上品な加速」です。
レース用エンジンから続く、マセラティの素晴らしいエンジン設計があるからこそ生まれる性能は、他のメーカーでは味わえない、マセラティだけの個性です。
最大パワーや最高速など、目に見えるスペックでは判らないところに込めたマセラティの素晴らしさ、御理解頂けましたでしょうか。
格好いい形のクルマを売っていたからスーパーカーメーカーなのではなく、このようなエンジンを設計できるからこそ、スーパーカーメーカーなのです。
by avo-motec
| 2017-08-29 14:58
| ブログ
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Comments(1)
毎度、普通のおっさんです。(ご無沙汰です)(^^;)
いや〜名言と言うかCMのキャッチコピーか何かに使えません?。「その車は助手席の女性の前に、キミ(ドライバー)を魅了しているか!」(笑)
聞きたい事は山ほど有るのですが今度(土曜日)遊びに伺いますので、もし質問攻めにしてしまった時はお許しください。(;^_^A
ps
東京モーターショーには行かれましたか?
いや〜名言と言うかCMのキャッチコピーか何かに使えません?。「その車は助手席の女性の前に、キミ(ドライバー)を魅了しているか!」(笑)
聞きたい事は山ほど有るのですが今度(土曜日)遊びに伺いますので、もし質問攻めにしてしまった時はお許しください。(;^_^A
ps
東京モーターショーには行かれましたか?
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