オートレジェンド2014 その2 |
目標ブーストまでしっかりとブーストが掛かり、計測馬力は1320ps。
見学に来られていた方達には、とても喜んでもらえました。
サクラダイノシステム様は、今回のパワーチェックに2種類のソフトウェアを使用していました。
片方のソフトでは1320ps/125.5kg-mでしたが、もうひとつのソフトでは1285ps/131.8kg-m。
なんとなく、これくらいの数値が出ているということが判りました!(笑)
今回、ほぼ滑らずにパワー計測できたのは、純正6MT+ファイナル3.2+巨大なリアタイヤのお陰です。
低いギアではホイルスピンを起こしやすい上に、負荷も低いためブーストが上がりません。
このため、純正ギアの5速で計測させて頂きました。
実は問題が少しあります。
タイヤ外径が大きいため、軽く300km/h以上出てしまうんです。
何が問題かといえば、ローラーの物理的な限界。
しかし、サクラダイノシステム様に確認したところ、360km/hという途方もない計測速度まで対応しているとのことでしたので、安心して5速で8000rpmまで踏ませて頂きました。
計測後にログ上で330km/hも出ていたことが明らかになりましたが、結果オーライ。
絶妙に調整したドラスリのエア圧も功を奏したようです。
この2JZは、ボアとストロークをアップして3400ccに排気量アップしています。
元々高回転が苦手な2JZをストロークアップしているため、一般的には大して回せなくなってしまうところです。
メタルワークショップM様のエンジンは、過去の経験からさまざまなチューニングを施してあり、8000rpmまで回せるようにしてあります。
実際に振動の発生もなく、スムーズに回ることを確認しているため、エンジンの耐久性に関しては心配していません。
2日目のパワーチェック時の、エンジン回転・ブースト・後輪速度のログを数値化してみました。
5113rpm 200kPa(ブースト1.0キロ) 後輪速度210.5km/h
5426rpm 250kPa(ブースト1.5キロ) 後輪速度223.5km/h
5962rpm 300kPa(ブースト2.0キロ) 後輪速度242.8km/h
6497rpm 350kPa(ブースト2.5キロ) 後輪速度267.2km/h
7309rpm 400kpa(ブースト3.0キロ) 後輪速度298.7km/h
7610rpm 410kPa(ブースト3.1キロ) 後輪速度309.9km/h
8050rpm 414kPa(ブースト3.1キロ) 後輪速度330.1km/h
ここでアクセルオフ。
この数値を見てピンと来た人もいると思いますが、実はブーストコントロールをOFFにしています。
排圧に押されて途中からウェストゲートが少し開いていますが、尻上がりにブーストが上昇しています。ただし壊れる程ではなく、想定の範囲。
実は、ブーストコントロール機能をONにすると鋭くブーストが立ち上がり、絶対にホイルスピンしてしまいます。OFFにしてもGT4718Rの風量は公称1350psなので、これ以上のパワーは出ないだろうから、エンジンは持つだろう。…と考えてのテストでした。
他にも、ドラッグレース用に製作したエンジンが、パワーチェックでブローしたらもったいないので、燃料も点火もたっぷりとマージンを取ってあります。
弊社でセッティングしたエンジンでは最大のパワーですが、エンジンコントロールに関しましては、一切の不安はありませんでした。
MoTeC ECUの制御速度なら、この程度の回転でエラーや処理落ちは起こしませんし、世界を見渡せば、もっと強烈な仕様を普通にコントロールできています。
それがノーマルエンジンでも、フルチューンエンジンでも、同じように制御できるのがMoTeC ECUなのです。
このスープラに装着してあるMoTeC製品は、エンジンコントロール用のM800 ECU、6本のダイレクトコイルそれぞれの点火を強化するCDI/8、メーターとデータロガーとしての機能を併せ持つダッシュロガーです。
各製品の詳細な御説明もできますので、御興味のある方は、弊社までお問い合わせをお待ちしております。