2014年 06月 09日
ブーストコントロール その5 |
ブースト圧のコントロールについて紹介します。
まず、一番簡単なブースト圧設定です。

絶対圧表示なので大気圧100kPa+ブーストです。250kPaならブースト1.5キロの設定です。このように最大ブースト圧設定をするのが、一番簡単な方法です。
・エンジン回転ごとのブースト設定
設定画面を縦横軸のあるテーブル(マップ)にしてみます。
画面で左クリックをしてAxis Setupを選択。

Axis Setupは、縦横軸の項目や割り振る数字を設定できます。
まずエンジン回転で横軸だけ作ります。

各回転ごとの最大ブーストを設定できるようになりました。
例えば低回転域でブーストを抑えて、サージングを抑制することができます。
・インジェクター開度ごとのブースト設定
例えば「インジェクターを交換すればブースト1.5キロで400psまで行けるけど、今のインジェクターでは1.1キロで350ps」という仕様があったとします。
ブースト1.1キロ以上では燃料が足りなくなりますが、それは最大パワーを発生する高回転域だけの話です。ブーストがインターセプトする中回転域では燃料噴射量に余裕があるため、中間のブーストは1.5キロでも大丈夫です。エンジン回転の上昇に合わせて徐々にブーストを1.1キロまで落とせば、高回転で燃料が不足することもありません。

このようにブーストを設定すれば、同じ「ブースト1.1キロ仕様」でも、中間の加速は段違いの速さになります。
・アクセル開度ごとのブースト設定
全開走行からわずかにアクセルを抜いてターンイン。
軽くアクセルを抜くだけで車の姿勢が変化すれば良いのですが、少しアクセルを抜いただけではブーストが落ちにくい場合、アクセルを戻す量が大きくなってしまいます。その結果、ターボの回転数が落ちてターボラグが発生。これではタイムを落としてしまいます。

そんな場合には、縦軸をアクセル開度に設定します。
アクセル開度90%でブーストがコンマ1キロ、アクセル開度80%でコンマ2キロ下がるように設定すれば、僅かなアクセルオフも姿勢変化できるようになります。アクセルを戻す量が減るため、高いレスポンスを維持して走れます。
ちなみに、縦軸をアクセル開度ではなく、ギアポジションに設定すると、ギアごとのブースト設定も可能です。
低いギアではホイルスピンを抑制するためにブーストを低く設定して、エンジン回転数やギアが高くなるに従ってブーストを上げていけば、ホイルスピンを気にすることなく全開走行できるようになります。
・手元でブーストを調整
手元のスイッチでブーストを上下させる場合は、スイッチに連動するように設定します。

これは、オプションの9ポジションスイッチを使用した例です。
0~9の10段階で0.8~1.7キロの範囲でブースト調整できるようにしてみました。
当然、横軸を伸ばして回転数ごとのブーストを組むことも可能です。
これ以外にも、ボタンスイッチを使用することで、一時的にブーストを上昇させるスクランブル機能を付与することも可能です。
・エンジンを保護するブースト設定
水温や吸気温度が上昇した際、燃料を濃くしてエンジンを保護する補正があります。
これはとても大事な機能ですが、フルブースト時にインジェクター噴射量を最大に設定すると、それ以上の増量ができなくなります。
このため、点火時期を遅角させる補正を同時におこないますが、モーテックではブースト圧自体に補正を入れることができます。

吸気温が上昇した際にブースト圧を下げる補正です。
全開での連続走行や、何かのトラブルでインタークーラーの熱交換が追いつかなくなった場合でも、ブースト自体を下げることができるため安心です。

こちらはブースト圧の水温補正画面です。
水温が低い暖気中はブーストが上がらないように設定して、水温が上昇したらブーストが下がるように設定しています。
サーキット走行中、ついつい水温上昇に気が付かずに走ってしまった場合でも、ブーストが下がって加速が落ちれば、エンジンの変化に気が付くと思います。
このように、詳細なブースト設定と、エンジンを保護する補正がモーテックのブーストコントロールの特徴ですが、もっともアピールしたい点は、この高性能なコントロール機能が、各MoTeC ECUに標準装備されている点です。
ブーストコントローラーには、ソレノイドバルブ式、ステッピングモーター式など、それぞれを良しとする考えがありますが、最も大切なのは制御するソフトウェアと演算能力の高さだと弊社は考えます。
まず、一番簡単なブースト圧設定です。

絶対圧表示なので大気圧100kPa+ブーストです。250kPaならブースト1.5キロの設定です。このように最大ブースト圧設定をするのが、一番簡単な方法です。
・エンジン回転ごとのブースト設定
設定画面を縦横軸のあるテーブル(マップ)にしてみます。
画面で左クリックをしてAxis Setupを選択。

Axis Setupは、縦横軸の項目や割り振る数字を設定できます。
まずエンジン回転で横軸だけ作ります。

各回転ごとの最大ブーストを設定できるようになりました。
例えば低回転域でブーストを抑えて、サージングを抑制することができます。
・インジェクター開度ごとのブースト設定
例えば「インジェクターを交換すればブースト1.5キロで400psまで行けるけど、今のインジェクターでは1.1キロで350ps」という仕様があったとします。
ブースト1.1キロ以上では燃料が足りなくなりますが、それは最大パワーを発生する高回転域だけの話です。ブーストがインターセプトする中回転域では燃料噴射量に余裕があるため、中間のブーストは1.5キロでも大丈夫です。エンジン回転の上昇に合わせて徐々にブーストを1.1キロまで落とせば、高回転で燃料が不足することもありません。

このようにブーストを設定すれば、同じ「ブースト1.1キロ仕様」でも、中間の加速は段違いの速さになります。
・アクセル開度ごとのブースト設定
全開走行からわずかにアクセルを抜いてターンイン。
軽くアクセルを抜くだけで車の姿勢が変化すれば良いのですが、少しアクセルを抜いただけではブーストが落ちにくい場合、アクセルを戻す量が大きくなってしまいます。その結果、ターボの回転数が落ちてターボラグが発生。これではタイムを落としてしまいます。

そんな場合には、縦軸をアクセル開度に設定します。
アクセル開度90%でブーストがコンマ1キロ、アクセル開度80%でコンマ2キロ下がるように設定すれば、僅かなアクセルオフも姿勢変化できるようになります。アクセルを戻す量が減るため、高いレスポンスを維持して走れます。
ちなみに、縦軸をアクセル開度ではなく、ギアポジションに設定すると、ギアごとのブースト設定も可能です。
低いギアではホイルスピンを抑制するためにブーストを低く設定して、エンジン回転数やギアが高くなるに従ってブーストを上げていけば、ホイルスピンを気にすることなく全開走行できるようになります。
・手元でブーストを調整
手元のスイッチでブーストを上下させる場合は、スイッチに連動するように設定します。

これは、オプションの9ポジションスイッチを使用した例です。
0~9の10段階で0.8~1.7キロの範囲でブースト調整できるようにしてみました。
当然、横軸を伸ばして回転数ごとのブーストを組むことも可能です。
これ以外にも、ボタンスイッチを使用することで、一時的にブーストを上昇させるスクランブル機能を付与することも可能です。
・エンジンを保護するブースト設定
水温や吸気温度が上昇した際、燃料を濃くしてエンジンを保護する補正があります。
これはとても大事な機能ですが、フルブースト時にインジェクター噴射量を最大に設定すると、それ以上の増量ができなくなります。
このため、点火時期を遅角させる補正を同時におこないますが、モーテックではブースト圧自体に補正を入れることができます。

吸気温が上昇した際にブースト圧を下げる補正です。
全開での連続走行や、何かのトラブルでインタークーラーの熱交換が追いつかなくなった場合でも、ブースト自体を下げることができるため安心です。

こちらはブースト圧の水温補正画面です。
水温が低い暖気中はブーストが上がらないように設定して、水温が上昇したらブーストが下がるように設定しています。
サーキット走行中、ついつい水温上昇に気が付かずに走ってしまった場合でも、ブーストが下がって加速が落ちれば、エンジンの変化に気が付くと思います。
このように、詳細なブースト設定と、エンジンを保護する補正がモーテックのブーストコントロールの特徴ですが、もっともアピールしたい点は、この高性能なコントロール機能が、各MoTeC ECUに標準装備されている点です。
ブーストコントローラーには、ソレノイドバルブ式、ステッピングモーター式など、それぞれを良しとする考えがありますが、最も大切なのは制御するソフトウェアと演算能力の高さだと弊社は考えます。
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by avo-motec
| 2014-06-09 12:41
| MoTeCマメ知識
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Comments(4)

目からうろこが落ちた。
Vプロとの簡単な違いは処理能力の遅さ?ですか?
回りは皆、vプロやノーマルロム書き換えやアペックスです。
Vプロとの簡単な違いは処理能力の遅さ?ですか?
回りは皆、vプロやノーマルロム書き換えやアペックスです。
Vプロのスペックを詳細に把握しておりませんので、本当に簡単なことしか言えませんが、MoTeC ECUはブーストコントロール機能をはじめ、トラクションコントロールやアンチラグなど、さまざまな機能を1BOXに内蔵しているのが最大の特徴です。
これらの機能を別々の外付けコントローラーで個別に設定するのと、ECUで一括制御するのでは、大きな差があります。
本文でも解説したように、各種補正を組み合わせることができるのも一例です。その他にも、外部コントローラーが増えるほど配線だらけになり、車輌の整備性が悪くなります。配線をシンプルにできることも、大きなメリットです。
これらの機能を別々の外付けコントローラーで個別に設定するのと、ECUで一括制御するのでは、大きな差があります。
本文でも解説したように、各種補正を組み合わせることができるのも一例です。その他にも、外部コントローラーが増えるほど配線だらけになり、車輌の整備性が悪くなります。配線をシンプルにできることも、大きなメリットです。

純正ソレノイドをモーテックで制御して任意に加給圧コントロールできますか?
制御可能な条件は2つあります。
1つはMoTeCで制御できることで、2つ目はコントロール幅のあるソレノイドであることです。
制御可能なソレノイドは多いですが、ランエボ純正のように制御できる幅が狭い物の場合は、別途購入して頂く必要があります。
ちなみに弊社で販売しているソレノイドバルブは
品番58004 価格¥25,000- です。
1つはMoTeCで制御できることで、2つ目はコントロール幅のあるソレノイドであることです。
制御可能なソレノイドは多いですが、ランエボ純正のように制御できる幅が狭い物の場合は、別途購入して頂く必要があります。
ちなみに弊社で販売しているソレノイドバルブは
品番58004 価格¥25,000- です。