SR20 直列トリプルターボ |
ウェストゲートやターボがたくさん装着されていて、日本のチューニングの常識からは意味不明な様相となっています。
なぜターボが3基あるのか。
これを説明する前に、ターボチャージャーのザックリした説明をします。
ターボエンジンの出力を増大させる際、設定ブースト圧を高くするのは御存知だと思います。そして、さらなる高出力を達成する場合には、より多くの空気を取り込むべく、大きなターボチャージャーに交換して、さらにブーストを圧を高くします。
ここまでを理解したうえで、このエンジン。
GT55という1500~2000ps級のターボチャージャーを装着して、ギリギリまでブーストを上げたが、パワーが頭打ちになりました。
「大気圧の空気を圧縮してエンジンに送り込む」にも、ターボには限界があって、一定以上のブーストを掛けること、空気を送り込むことが出来ません。
そこで、大気圧の空気ではなく、圧縮された空気をターボに吸わせれば、「圧縮された空気をさらに圧縮する」ため、限界を大幅に超えることができるのではないか。という考えから、シングルターボの上流にツインターボを設けているのです。
要するに、2基のターボから圧送される空気を、1基のターボでより高圧化してエンジンに圧送するのです。
これに際し、最期のターボの前後に水冷インタークーラーを2基装着して、驚異の高ブーストで上昇する吸気温度を安定させています。
このシステムにより発生するブーストは約5キロ!
ベンチテストでの最大出力は、脅威の2,155ps/9900rpm!!
(メタノール)
ターボが凄いから、燃料が違うから、という以前に、SR20というエンジンでは、こんなパワーは出せないんです、日本では。
チューニングには終わりがないといいますが、日本のチューニング業界がピリオドを打った地点よりも、遥か先まで追求を続けるアメリカのエンジニアは、本当に素晴らしいと思います。