ホースタイプのインジェクター |
これは間違いではありませんが、「製造当時が最高」で、そこから年月と共に傷んでしまう部品だけは、愛情ではどうにもならず、自動車にはそのような部品が多数使用されています。
自動車は数多くの部品の集合体ですが、その中でも確実に「年月」に侵されてしまう物。それは樹脂とゴムです。
金属や木材の加工品や陶器など、年月が経つほどに「味」や「深み」が増す物は数多くありますが、樹脂とゴムは新品時と同じ性能を長期的に維持するのが難しく、長いスパンで見ると消耗品扱いです。
特にエンジンルーム内で熱に晒されている場合は、他の部分よりも痛みが早いです。写真のインジェクターはローバーV8用で、ホースが直付けされているのが特徴。まさに樹脂とゴムが使用されている部品です。
インジェクターは同じメーカー、同じ容量、同じ品質で揃えるのが最低限の基本ですが、同じ新品でも驚くほど個体差がある場合も多く、1本だけ、それも全然異なるメーカーのインジェクターに交換して、同調が取れるハズがないのです。
レンジローバーやモーガンなど、このタイプのインジェクターでお困りの方、御連絡をお待ちしております。
ちなみに、MoTeCの気筒別補正を使うことで、気筒ごとに異なるインジェクターの辻褄を合わせることは可能です。
ただし、インジェクターを新品リフレッシュする方が、今後長く乗るという意味で有効な上に、センサーを多数用意するよりも大幅に安く仕上げることができるため、そのように対応させて頂きました。