ストロークセンサー |
ストロークセンサーこそ、サーキットで最高速を伸ばす最後の鍵なのです。
ストロークセンサーは、文字通りダンパーのストロークを計測するセンサーです。
単に最大ストロークが何mmだったという数字ではなく、どのコーナーでどのくらいストロークしているのか、どのくらいのスピードで動いているのか、ダウンフォースでストレートの車高がどれくらい落ちているのか。このような物が一目瞭然になるセンサーです。
近年、巨大なGTウイングやカナードをはじめ、エアロパーツによるダウンフォースを積極的に活用するユーザーが増えました。
当然ながら、ダウンフォースが増した方がコーナーで有利になり、高速時のフルブレーキングで姿勢も安定します。
しかしその反面、ストレートではダウンフォースにパワーが食われてしまいます。
そして、車高は一定以上低くなると、逆に最高速が落ちてしまうのです。
このため、ダウンフォースを強化した車輌ほど、最高速が落ちない「ダンパーが縮んだ後の車高セッティング」が必須となります。
車輌によって大きく変わるのですが、実は「最高速に最適な車高」という物が存在します。
ダウンフォースはコーナーよりもストレートの方が遥かに大きく、巨大なエアロを装着している場合には、ストレートエンドでダンパーがフルバンプすることもあるほどです。
最高速は車高が低い方が伸びそうですが、低すぎても駄目。
車体のダウンフォースを含めた空力とベストに噛み合う、最適な「ダウンフォースが効いた後の車高」が重要なのです。
実際にストロークセンサーでストレート時の車高を読み取っていくと、単純にフルバンプ近くまで車高が落ちるケースが多いですが、中には車高が下がりすぎて、空力的な問題からピッチングのような挙動が発生するケースもあります。
このような状況から、エアロを変えずに最高速を伸ばすべく、ダウンフォースによって下がる車高を、一定の車高でピタリと抑える必要があります。
さまざまな車高設定でストレートエンドの速度を確認すれば、最高速が伸びるベストな車高も正確に判断することが可能です。
空力が効いた後の車高を設定する実際の方法は、レース用も開発しているダンパーメーカーや、サーキットのタイムアタックに詳しいチューニングショップにお問い合わせください。
ストレートの全開で、エアロが効いてフルバンプした場合、そこからブレーキを踏んでもフロントに沈むストロークが残っていない…。どうしてそれでも大丈夫なのでしょう。
そんな疑問もストロークセンサーを装着すれば一目瞭然です!
ちなみに、センサーはストローク量によって5種類あります。
75mm
100mm
125mm
150mm
200mm
カラーディスプレイロガーC125・127なら最大で秒間500回、C185・187なら秒間最大1000回のサンプリング速度で、センサーの信号をロギングできます。
車輌のセッティングだけではなく、ダンパーの開発にも応用が可能です。
ストレートの最高速に絞って解説しましたが、ストロークセンサーはシャーシセッティングを詰める際に不可欠。
御質問などありましたら、お問い合わせください。