C4コルベットZR-1 セッティング完了 |
詳細は以前紹介しましたが、コルベット唯一のDOHCヘッド搭載モデルです。
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LT5と呼ばれるエンジンは、DOHC32バルブヘッド、圧縮比11:0、アルミシリンダー、99φ×93mmのショートストローク、排気量5724cc。
カタログでは前期が375ps/51kg-m、後期は405ps/53kg-m。という、強烈なスペックを誇ります。
(これが登場した1989年、日本では280ps/36kg-mのスカイラインGT-Rがデビューしました)
弊社のシャーシダイナモで作業前にコンディションチェックしたところ、計測値は351ps/42kg-m。
年式を考えれば、まずまずの出力です。
しかし、すでに製廃となった消耗部品も多く、このままでは乗り続けることが困難。
そこで登場するのがMoTeC ECUです。
純正ECUを廃することで、今後供給が困難になりそうなセンサーを含む電子パーツを、すべて入手が容易な汎用品に変更できるようにします。
オーナー様の、末永く乗り続けたいという御要望に応えるため、純正ECUは完全撤去。M800で完全制御しました。
今回外した部品で目玉になるのは、サージタンクの裏に固定されているイグニッションモジュールです。
分厚いアルミ板に固定され、サージタンクを通過する吸気で放熱していますが、それでも故障の多いパーツだそうです。
今回の作業では、この部品を撤去しました。
同じ形状にアルミ板を切り、ボッシュのイグニッションモジュールを固定。配線なども目立たないレイアウトにしたので、フロントカウルを開けてもフルコン化しているようには見えません。
左が外した純正のイグニッションモジュールです。
MoTeC M800本体は、ダッシュボード裏に固定しました。
室内で変化があるのは、コラム上に追加したシフトライトモジュールです。
こちらはレブリミットを設定して段階的に点灯するように設定しています。
セッティング後のパワーチェックの結果は、410.2ps/46.4kg-m。
パワーは58.6ps向上しました。緑がノーマルで、赤がセッティング後です。
トルクは4.4kg-m向上。
高回転のピークだけが向上したのではなく、下から力強くなっているため、単純に500ccくらい排気量アップしたように感じるフィーリングです。
オーナー様からは、特にパワーやトルクの追求を指示されていませんでしたので、あくまでエンジンに最適な燃料噴射と点火時期にイチから調整した結果です。
今なお現役でこのパワーとトルクを発揮するLT5は、まさにレジェンド級です。
納車の際
「全然違う、全開してないのにホイルスピンするし、音もまったく変わった!」
と、オーナー様がとても喜んでくださり、私達も全開サウンドにシビレっぱなしでした。
飛ばしていない時の燃費も改善されているハズなので、そちらの結果も楽しみです!
感想を言うならば
恐るべしモーテック! です
以前は無かった排気管からは水しぶき
完全燃焼の証でしょう
モーターの様な安定したアイドリング
火が入った瞬間からピタッ
全くブレない
ふけ上がりはスムーズかつパワフルで
アメリカンV8特有のデロデロ音が無くなっちゃいましたし どのギアどの回転からもスロットルを
開けば加速して行きます
別のエンジンになった様な感じです
AVOさんの社長様始めスタッフの方々の技術力
と情熱に只々感謝です
あの全域トルクの塊、かつ高回転まで気持ちよく伸びるフィーリングは、絶好調なLT5だけの持ち味だと思います。
季節が変わったら始動しにくくなった、再始動しにくい…など、なるべく無いように仕上げましたが、もし気になるポイントなどがありましたら、いつでも御連絡ください。