ハヤブサターボ セッティング |
今回は、埼玉県行田市のBRE様にバイク用シャーシダイナモをお借りしました。
ダイノジェットというメーカー製で、損失馬力補正無しのエンジン出力のみが表示されます。このため、通常の弊社でおこなうパワーチェックの数字よりも、約2割程度低く表示されるのが特徴です。
まずはセッティング前の体力測定。
242.05ps/18.88kg-m。
ブーストは0.75キロで、空燃比も危険を感じる程ではありませんでした。
パワー計測動画は、この際に録画したものです。
GT2540は、RB26のポン付け用として、GTシリーズの最初期に登場したタービンです。
エンジンの仕様にもよりますが、660ps前後の出力が出せる反面、ハイブリッド設計が災いして排圧が高くなりやすいのが難点です。
シングルで使用する場合、約330psが狙えることになりますが、オーナー様の仕様用途が「サーキットのような場所でパワーとレスポンスを両立」ではなく「長時間の全開全負荷」なので、それに合わせた安全マージンを取りつつのセッティングとなりました。
オーナー様によると、ヘッドはカム交換されていて、腰下はピストン・コンロッドを交換している状態だそうです。
ブースト制御はMoTeCではなく、社外のコントローラーでおこなっています。
ブースト圧を変更せず詰めていったところ、アッサリと279.27ps/19.6kg-mを達成しました。
グラフ上の数字は37.22psほどアップしましたが、これは損失馬力が含まれていない数字なので、恐らく損失馬力込みで330ps前後出ているようです。
青いラインがセッティング前、赤いラインがセッティング後です。
仮に300psだったとしても、車重が約260kg前後なので、パワーウエイトレシオは0.87。
もはやF1の領域です。
試しに色々と手を加えてみましたが、コンプレッサー的に限界らしく、これ以上は出力が落ちてしまいました。
ブーストを上げての出力向上は見込めませんが、80度以上になっている吸気温度を低下させることができれば、まだまだパワーアップの余地は残っています。
海外でサージタンク一体型の水冷インタークーラーが販売されているそうなので、そのようなパーツでステップアップしていけそうです。
これ以上パワーがストリートで必要なのかという領域ですが(笑)
また、社外のブーストコントローラーでブースト管理をしていましたが、ここをMoTeC ECUで統合制御すれば、さらに鋭く立ち上がるようになります。
オーナー様に試乗して頂いたところ、スロットルレスポンスもブーストの立ち上がりも格段に向上し、以前よりも乗りやすさが格段に向上したとのことです。
くれぐれもお気を付けください(汗)