ランチア・デルタ |
このデルタは燃圧に問題があったようで、畑野自動車様でトラブルシュートをしたところ、燃料タンク内が腐食していたために、サビが剥がれて燃料配管を詰まらせていたそうです。
ポンプやフィルター、インジェクターなどのパーツ交換だけで調子が良くなる時代を通り越した年式になると、こういったレストア作業的な修理が必要になってきてしまいます。
燃料タンク内部のサビは、水が溜まることで発生しやすくなります。
特に湿度の高い日本では、タンク内に水が溜まりやすいといわれていて、多くは結露によるものです。
水と油は混ざらず、油は水に浮く。
これは小学生でも知っている常識ですが、ガソリンタンクに溜まった水は、タンクの底に溜まるため、タンクの底を腐食させてしまいます。
これを防ぐには、どんどん乗ってガソリンを消費させるのが一番です。
燃料ポンプはタンクの底から吸い取っているので、僅かに溜まった程度の水ならエンジンに吸われて無くなります。
しばらく放置してしまう場合には、ガソリンスタンドで勧められる水抜き剤を先に入れておくと良いと思います。
水抜き剤は、本来混ざらないハズの水とガソリンを混ぜる成分が入っています。水分をガソリンと混ぜることで、ガソリンの性能は落ちますが、タンクを腐食から守ってくれます。
ちなみに、エンジンのオイルパンにも結露で相当な水が溜まりますが、一般的なオイルはエンジンをサビから守るために水分を吸収するように設計されています(レース用オイルには吸収しない物もあります)。
水分と混ざることでオイルは乳化してしまいますが、これは「水を吸って性能が落ちたから交換して下さい」という合図です。
乳化したオイルは、酷い状態だとヨーグルト~歯磨き粉のような粘度になるので、とてもエンジンの潤滑ができる状態ではありませんが、エンジン本体やオイルパンをサビから守ってくれた証拠。感謝の気持ちを込めてオイル交換しましょう。
画像検索すると以下のような物が見れます。
乳化したエンジンオイル
話をデルタに戻します。
畑野自動車様で燃料系のリフレッシュをおこなったデルタは、絶好調そのもの。
ダイナパックでセッティングをおこない、気持ちよく260ps(補正なし)を達成しました。
エンジンのレスポンス、ブーストの立ち上がり、高回転までの加速フィーリングなど、製造から20年以上が経過したイタリア車とは思えない鋭さ。
むしろ、現代のスポーツカーにはこの鋭さを楽しめるクルマが皆無なので、とても貴重な1台といえます。
ランチア・デルタ以外でも、制御の不調でお困りの方、業者様、御連絡頂ければアドバイスさせて頂きます!