ニッサン・フェアレディ |
調子が悪い状態から解放されたいと、個人オーナー様からの御依頼です。
始動困難
暖機困難
加速途中にガクンと加速しなくなる
遅い
調子が悪い理由はいくつかありましたが、大きく費用の掛からない範囲の変更と、再セッティングをやらせて頂きました。
まず、不調の原因として、水温センサーがラジエターのアッパーホースに付いています。これではエンジンが暖まり始めても、サーモが開くまで水温補正がリニアに働きません。エンジン側に水温センサーを打ち直すことで対応しました。
次に、MAPセンサーが4気筒すべてではなく、一部のシリンダーの負圧しか繋がっていなかったため、チャンバーを製作して各気筒の負圧を取り、センサーまでホースを伸ばしました。
センサーに繋ぐ気筒数が変わることで、負圧が大きく変化するわけではありませんが、すべての気筒の負圧を集合させたところから圧力を取った方が脈動が減り、センサーに入る信号が安定。結果的に良い制御に繋がります。
シャーシダイナモで加速テストをしてみたところ、燃圧が1キロ以上の幅でドロップを繰り返して安定せず、加速中に息継ぎをします。
タンクからのホースはインジェクション用に引き直されていましたが、燃料溜まり(チャンバー)が無いために、このような状態になっていました。
安定的に燃料が供給されるように、デリバリーパイプを製作しました。これはMoTeCの大容量デリバリー素材を使用しています。
内径19mmで抜群の安定度に加え、フルチューンにも対応するため、ワンオフ製作を得意とする多くのチューナー様に愛用して頂いております。
(来月より販売再開予定です)
セッティングの結果は、149.5ps/17.2kg-m。
直線だけなら新型ロードスターをチギれそうです。
オーナー様に試乗して頂いたところ、クルマが軽く感じられる程の差で、非常に調子がよいと終始ニコニコです。
まだ完全に本調子ではありませんが、次のステップで燃料タンク内壁リフレッシュ、燃料ポンプとレギュレターの見直し、アイドルコントロールバルブの追加などをおこなうことで、さらに安心して気兼ねなく乗れるコンディションを目指せると思います。
ちなみに、さり気なくマッハステアリングや当時物の弥生ホイールを使っているあたりが、オーナー様のこだわりです!
負圧のチャンバーもフューエルデリバリーを加工してます?
よく見ると色々な技が興味深いです。
テーパーに加工した上で、シールテープと同じような役割の物を塗布しています。
負圧タンクはデリバリーと同素材です。
内容積があり、さらにタップを立てたり溶接ができるため、とても重宝しています。