アイドリングの制御マニュアル! |
この素晴らしい性能を遺憾なく発揮して頂くために、P.I.Dを使用するブーストコントロールマニュアルに続き、アイドリングのコントロールマニュアルを鋭意製作中です。
安定したアイドリング制御、安定したブースト制御。
この2つに共通するのは、どちらもソレノイドバルブを使用するケースが多いことです。
そのソレノイドバルブ制御に必須となるのがP.I.D。
P.I.Dは、3つのゲイン設定の頭文字です。
ゲインとは、猛烈にザックリと判りやすく説明すると「ソレノイドのアクセルやブレーキの効かせ具合」を設定する項目です。
今回は、P.I.Dの言葉の意味は置いておき、それぞれの中身を判りやすく紹介します。
まず「P」
これは指定したブースト圧やアイドリング回転数に対して、実際の数値を一気に持っていく、アクセルペダルの踏み具合の設定です。
イメージ的には、数値が大きいほど一気に加速して指定のブースト圧やアイドリングに到達します。ただし、やりすぎると勢いが付きすぎて目標速度を超えてしまいます(オーバーシュート)。
ゲインの設定が「P」しかない場合、オーバーシュートを防止するには「アクセルを全開にしない」「ゆっくり加速する」という妥協が必要ですが、P.I.Dの3つのゲイン調整があれば、「P」でオーバーシュートするほど加速しても大丈夫です。
オーバーシュートするほどの勢いで加速した時に登場するのが「D」。
オーバーシュート寸前に急ブレーキを掛ける設定です。
つまり、急減速の設定となります。
ソレノイドが「一気に加速」「急激なブレーキング」という制御をすると、当然ながら、ブーストの立ち上がりの鋭さとオーバーシュート防止の両立ができます。
アイドリングも指定の回転数が当たり前であるかのようになります。
最後に、P.I.Dの「I」。
これは設定したブーストやアイドリング値で「一定速度で走行しているソレノイド」のアクセル微調整項目です。
自動車を運転する際、40km/hの一定速度で走ろうとしても、微妙に速度が上がったり下がったりするため、常にメーターを見ながらアクセルの微調整が必要になります。「I」は、そのアクセル微調整を担当するゲインです。
「I」は必ず必要な設定ではありませんが、ソレノイドの種類や使用環境下の条件次第で、徐々にアイドリング回転数やブーストに変化が出る場合には使用します。
もしゲイン調整が「P」しかなければ、
オーバーシュートしないように…
ブーストが尻上がりにならないように…
と「P」だけで何とか帳尻を合わせる必要があります。
それで帳尻は合うのかもしれませんが、肝心の「一気に加速する」を追求できません。
やはり鋭いブーストの立ち上がりや、安定したアイドリングを追求するには、P.I.D制御が重要だと考えます。