ポルシェ964 カレラ2 ティプトロニック |
964カレラ2とカレラ4は、これまで何台もMoTeC ECU制御でセッティングしてきました。
経験的には、吸排気系チューニング+インジェクター交換+MoTeC ECUセッティングで、285~296ps(弊社シャシダイ値)くらいまでパワーアップします。
今回は、吸排気系ノーマルで、機能をしていない純正エアフロも残ったまま。排気系もすべて純正パーツです。
ミッションはティプロトニック。使用するのはMoTeC M84です。
ティプトロニックのコントロールユニットに、MoTeC ECUから疑似信号を送る部分など、若干の違いはありますが、基本的にはマニュアルミッション車と同じ制御をおこないます。
964のティプトロニックは、トルクコンバーター方式であることや、4速であることから「スポーティな演出を付けただけの普通の4AT」というイメージを持っている人が多いようですが、単なる4ATではありません…というか、当時各メーカーから発売されていた4ATとは歴然とした違いがあります。
細かく説明するのは割愛しますが、簡単に説明すると、当時のATにありがちな、ちゃんと繋がっているのか繋がっていないのか微妙な「ニュルニュル感」が全然ありません。
各ギアでカッチリとロックアップしているフィーリングが素晴らしいです。
そして、MTモードにすると、床までアクセルを踏み込んでも勝手にキックダウンしないため、ATなのにMT同様のパワーチェックができるのも最高です。
そのお陰で、964カレラの吸排気完全ノーマル+MoTeC ECUの出力チェックができました。
パワーチェックの結果は278ps/33.9kg-m。
吸排気系がノーマルだから、280ps弱くらいかな?と想像していましたが、まさにその通りの出力でした。(ちなみにカタログ値は250ps/31.6kg-m)
オーナー様に試乗して頂いたところ「全然違うフィーリングになった!」と、終始笑顔。とても喜んでくださいました。
今後は排気系を中心にステップアップをしていくそうです!
ちなみに、この964は「新車?」と思えるほどにボディがピッカピカで、光の当たり方でブルメタに見えたりエメラルドグリーンに見える、ものすごく深い色合いのカラーリング。
ずっと屋内保管な上に大事に扱っていれば、ここまで美しさを維持できるのかとスタッフ一同驚いてしまいました。
余談になりますが、皆様は愛車の塗装を美しく維持するために、どのような努力をされておりますか?
女性が洗顔やUVケアで肌のお手入れを必死でおこなうことと、クルマ好きの男性がWAXやコーティングで必死になるのは、共に美しさを長く保つという意味では同じです。
これを奥様に理解してもらうことができれば、奥様が高級化粧品を買った際は、ザイモールをおねだりできるかもしれませんね(笑)