S31フェアレディZ |
キャブレター化されている個体が多いため、純正のサージタンクが残っているS31型は非常に珍しい… のですが、実はノーマルのL20エンジンをMoTeCで制御しています。
キャブ仕様のエンジンをMoTeC ECU制御する場合、まずインジェクターをどこにどうやって取り付けるべきか…で悩みます。
定番は、インジェクターが取り付けられる設計のTWM社製6連スロットルです。ただし、MoTeC ECUに加えて、6連スロットルの出費が掛かるため、トータルの出費が大きくなってしまうのがネックです。
このS31の場合は、元から取り付けられているインジェクターをMoTeC ECUで制御しているので、吸気系に掛かるコストを抑えているのが特徴です。
6連スロットルと比較して、パワー、トルク、レスポンス、吸気音の面では劣ってしまいますが、非常に乗りやすく仕上がりますし、純正ECUと比較すると、MoTeC ECU制御に変わっただけで、下から上まで全域で出力アップします。
エンジン制御用の純正コンピューターは、S31と同じく70年代製。PCのことを「パソコン」よりも「マイコン」と呼称している人が多かった時代の物であり、現代では当たり前の各種自動補正もありません。
当然ながらMoTeC ECUに交換するだけで別物のように仕上がりますが、エンジンルーム内には、水温・吸気温・MAP(インマニ圧)・ラムダセンサーを追加しただけです。
その他で大切なのは、燃料の配管系です。
キャブとインジェクションを比較すると、燃圧の設定に10倍の差があります。
このため、エンジンとタンクを往復する燃料配管の太さも異なります。
S31は元々インジェクション制御なので、燃料配管の交換は不要ですが、設定燃圧を合わせるために、燃圧レギュレターは取り付けてあります。
現在、MoTeC M800を助手席の足元に仮付けしている状態ですが、この仕様で完成ではありません。
今後、これまでとは少々異なる制御システムの実験をしていきいます。