JZA80スープラ |
JZA80スープラの湾●最▲速仕様。
製作してから年月が経過しているため、コンディションの確認をしつつ全域でセッティングの見直しです。
オーナー様が実際に走行したログデータを持参して下さったため、常用する領域や踏み方が判り、セッティングの方向が明瞭になりました。
フルに手が入ったエンジンに、6連スロットルを組み合わせています。
各気筒にインジェクターが2本ずつ取り付けてあり、低回転低負荷では1本、中間から上で2本噴射するツインインジェクションを、MoTeC M800でコントロールしています。
タービンは、今では本当に幻になってしまったF1タービン。
IHI製RX6です。
現在、ボールベアリングターボといえば、低フリクションでレスポンスが優秀というイメージが定着していますが、元祖ボールベアリングターボのRX6は、ハイレスポンス=ボールベアリングではなく、高ブースト&高排圧で常用するために、軸受けにボールベアリングを採用しました。
80年代のF1で無敵のホンダエンジンに搭載されていたのが、RX6のレーシングバージョンです。
高い排圧や高いブーストを掛けると、ターボの構造上、タービンの羽根はセンター側に押され、コンプレッサーの羽根はクリーナー側に出てこようとします。これによりスラストメタルが摩耗してガタが出てしまいますが、IHIではメタルをボールベアリング化することで、スラスト方向に力が掛かってもクリアランスを適正に保つことに成功しました。つまり、高負荷で使用できる耐久性を有したターボチャージャーなのです。
今回のセッティングでは、ブースト圧は変更しませんでした。ただし、ブーストの立ち上がりやエンジンのレスポンスを重点的に再調整した結果、オーナー様には大変満足して頂けました。