ランチア デルタS4 |
オートスポーツイワセ様からのセッティングサポート御依頼です。
ランチャ・デルタ
S4。
スーパーチャージャーで武装したランチャ・ラリー037に代わり、
スーパーチャージャー+ターボをミッドシップ搭載&最新鋭のビスカス式4WD。
排気量は1800ccですが、ラリーでは600psオーバー!
まさにモンスターマシンです。
この車輌は86年式。
日本ではセリカが流面形、スカイラインがGTオートスポイラー、RX7がニューアダルトスポーツな時代。
レベルが違いすぎです。
デルタS4に搭載されているツインチャージャーですが、
マーチRに搭載されているような、吸気がスーパーチャージャーからターボ、そしてインタークーラーを経由する直列式ではなく、スーパーチャージャーとターボが並列で、インタークーラーも2個。独特なレイアウトでした。
このデルタS4は、新車当時にスーパーチャージャーが故障したため、動かさずに保管されていたそうです。
なので、走行距離は3800km!
本当に新車です。
壊れたスーパーチャージャーは、巨大な鋳造のローターが2個(ミッションか!?という重量だそうです)入っていて、想像を絶する重さ。
当時と違い、現代のターボは下から上まで驚くほどスムーズ。
しかも充分に風量のある物を選択することができるので、スーパーチャージャーは撤去して、タービンを新品に交換してあります。
Cピラーの巨大なダクトが迫力!
走行風はインタークーラーに直接当たるように誘導されます。
ナンバーは付いていますが、パイプフレームにカウルを装着したレーシングカーそのものです。
窓も、このようにスライド式です。
リアのカウルはガバっと開きます。
ストリート仕様なので、純正で鍵付きでした。
スピードとタコの中央にブースト計が鎮座しているのがカッコイイです。
ターボからの各パイピングが一目瞭然です。
レースで勝つことが目的ではないので、ターボチャージャーはこのくらいのサイズ。
排気量から考えると、結構大きめだと思います。
エンジンルームを上から見ると、このような感じです。
インタークーラーは純正で、画像右下のスペースにスーパーチャージャー用のインタークーラーが装着されていました。
点火系は、新品のコイルを2個使用して同時点火にしてあります。
インジェクターは各気筒2本で、2つある吸気ポートに、それぞれダイレクトに噴射するレイアウトです。
装着するMoTeCは、インジェクター8本のドライブが可能なM84です。
足も本当によく動くそうで、同じグループBマシンのRS200と比較すると、
驚くほど乗り心地が良いそうです。
セッティングの結果、燃料が足りなくなったため、急遽弊社のインジェクターに交換。
1800ccとは思えない、さすがグループBのモンスターです。
インジェクターを交換して、無事、実走でセッティングが終了しました。
走り去る後ろ姿も普通じゃありません。
過激なマシンとレースの熱狂、グループBの遺産は今なお本物でした。
オートスポーツイワセ
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