フォードRS200 |
80年代のF1はターボ搭載で強烈なパワーを誇っていましたが
そんなF1マシンよりも速いといわれていたのが、グループBマシンです。
日本でも日産の240RSが有名ですが
フェラーリF40のエンジンF120Aや、ポルシェ959などの限定車も、
グループBを想定して開発された車輌といわれています。
勝つことだけを想定して設計された、ナンバー付きレーシングカー。
そんな中でも、プライベートチームが多く活用したことで有名なのがRS200です。
市販車ベースの限定モデルが多い中で、イチから専用車両を作っているところからも
ライバルとの意気込みの違いを感じます。
そんなRS200のセッティングのお手伝いをさせて頂きました。
ステアリングを握るのは、グループB時代に日本を代表するラリードライバーだった
オートスポーツイワセの岩瀬氏です。
RS200の速さを極めるための純粋なまでの設計思想には驚かされます。
ルーフ上にあるダクトはインタークーラー用なのですが
この位置にすることで泥が掛かって冷えなくなる心配が無くなるなど
当時は言われていましたが、、、、
インタークーラーを抜けた熱気が、すぐに後ろのアウトレットから抜ける設計なので
ものすごく冷却効率が高いです。
恐らく弊社でセッティングしたミッドシップやRRのターボの中で、一番冷えます。
これを可能にしたのが、エンジンルームの究極的なレイアウトです。
ボディは当然フレームなので、外装はカウルです。
完璧に冷える位置にレイアウトされたインタークーラーに
ターボのコンプレッサーから真っ直ぐ空気が送られて、
インタークーラーから真っ直ぐサージタンクに入る。
これを真似する以外に、これ以上のレイアウトは無いと感じさせます。
しかもリアミッドシップで前後重量配分が50:50。
ハリー小島やマネージャーがRS200の大ファンで
欲しがっているのも理解できます(笑)
制御も先進的で、ツインインジェクター制御です。
オートスポーツイワセで、インジェクターやデリバリーはリフレッシュされています。
MoTeC M84のステージインジェクション(ハイ/ローインジェクション)制御を使い
2本のインジェクターをシーケンシャル噴射させています。
コスワースのBDA(1800ccツインカム)+ターボなので、
現代の水準では高出力とはいえませんが
ショートホイールベースの超軽量ボディなので、もの凄い加速をします。
ちなみに4WDです。
シフトノブの隣の赤いレバーが4WDのモードセレクター。
質実剛健な雰囲気です。
ランエボやインプレッサと競争して、どっちが速いの?
という疑問をお持ちの方もいると思いますが、
「30年も前の車なのに、電子デバイス満載の最新最強との比較が気になる。」
これだけでRS200の勝ちです。格が違うとは、まさにこのことです(笑)
余談ですが
「このホイールどっかで見たことがあるなぁ」とマネージャーが、、、
そういえばS13シルビア後期の純正ホイールにソックリです。
4穴だしもしかすると…と調べてみましたが、ちゃんとフォード純正でした!