TA63セリカ その6 |
パワーアップが目的ではなく、
不調になった純正ECUの代わりにMoTeCで普通に走れるように制御。
これが今回の依頼です。
なのでブーストも上げません。
このエンジンは国産のターボ搭載車としては黎明期の部類でインタークーラーがありません。
当時はインタークーラー無しが普通でしたが、その正体は、、、
異常な吸気温度+濃すぎるくらい濃い燃料+安全すぎる点火時期+ノックセンサーによる保険付き という物なんです。
PCの画面に吸気温度がリアルタイムで表示されるのですが、想像を絶する高温です。
この状態でもインタークーラーを追加したい程なので、ブーストは本当に上げない方が安全です。
ただし、ガソリンの気化冷却を差し引いても濃すぎる燃料を絞ることと、
遅すぎる点火時期を、安全な範囲で進めることは可能です。
ノーマル時のパワーチェックでは、147ps/22.3kg-m。
当時のカタログスペックが、グロス表記で170ps/24kg-mなので、
非常に状態の良いエンジンだと思います。
MoTeC M84を装着して、フラップ式のエアフロ制御から
圧力(Dジェトロ)+スロポジ制御に変更したところ、
アクセルレスポンスが全域で改善されました。
異常に上昇する吸気温度に対して、安全な範囲でセッティングを詰めたところ
トルクが2.2kg-m、馬力が約18psアップしました。
パワーのグラフを重ね書きしました。緑がノーマル、赤がセッティング後です。
これは意図したパワーアップではなく、無駄に多く噴射している燃料を減らし、
点火時期を適正に合わせたことで、エンジンが持つ本来の性能に戻ったのです。
燃費が大幅に改善しているハズなので、
そちらの面でもオーナー様には喜んで頂けると思います。